10月28日(現地時間)、米NetAppが開催するテクノロジーイベント「Insight 2014」が開幕した。会場は米ラスベガスのホテル(MGM Grand)だ。初日の午前中にはゼネラルセッションが行われ、今後、同社がハイブリッドクラウドに注力していく姿勢を明確にし、「Together We Can Embrace the Hybrid Cloud」(ハイブリッドクラウドを一緒やっていきましょう)と訴えた。
これまでのInsightは、NetAppの社員やパートナーが参加してきたが、今年の「Insight 2014」では初めて顧客も参加し、大規模なものになっている。
セッションで最初に登壇したのは、米NetApp President and Head of Go-to-Market OperationsのRob Salmon氏だ。
同氏はオープニングでパートナーとのエコシステムの重要性を強調し、パートナーに向け、「顧客にもっと何かできることはないかを考えてください」と訴え、「我々は同じチームです」「We Can Together」 のメッセージを伝えた。
続いて登壇したのは、米NetApp CEOのTom Georgens氏だ。同氏は、NetAppがなぜハイブリッドクラウドに注力していくのかを説明。 次のように語った。
「ITの世界は過渡期を迎えている。ユーザーはリスクやコスト低減のほか、スケールやスピードも追求していかなければならない。最近は、セキュリティ、ソーシャル、クラウド、モビリティ、ビッグデータが大きなトレンドになっているが、これらにおいて、ストレージの世界では、データ管理をしっかりやっていくことが重要だ。 クラウドでは、顧客がAmazonやマイクロソフトのようなハイパースケール クラウド プロバイダを望むのならば、我々はそれを支援しなければならない」
「また、ITインフラはビジネスに合わせすぐに利用開始でき、選択したものが合わなければ、すぐに逆方向に行けることも重要だ。それは、既存のオンプレミスではできないが、クラウドならできる。クラウドはオンプレミスのシームレスな拡張版だ。ただ、すべてをクラウドに変えていけばいいのかと言えば、そうではない。クラウドには、セキュリティやパフォーマンス面で懸念がある。そのため、オンプレミスに対しても投資を続けていく必要があり、ハイブリッドクラウドが究極のモデルとなる」
そして、NetAppの役割について、「テクノロジーによって、ユーザーに競争優位性を提供することだ」語り、同氏のプレゼンを締めくくった。
ユーザーに競争優位性を提供するために、NetAppは何を提供していくのかついては、米NetApp Executive Vice President、Product OperationのGeorge Kurian氏が説明した。
同氏は、ハイブリッドクラウドの中心にはデータがあるとした上で、現在のハイブリッドの問題点として、他のクラウドにデータを移行したり、他のクラウドとデータを共有することができない点を挙げた。同氏はその理由として、データをサービスプロバイダが管理している点を指摘し、「Your Data」「Your Cloud」にすべきだとした。そして、「1つのクラウドに統合するのがNetAppだ」と述べた。
では、「Your Data」「Your Cloud」にするにはどうすればよいのか?
George Kurian氏は、それを実現するのが「Data Fablic」で、そのための基盤として、前日発表した最新ストレージOS「clustered Data ONTAP 8.3」や「Cloud ONTAP」を紹介した。
そして最後にGeorge Kurian氏は、「これら将来のアーキテクチャに移行しましょう」と訴えた。