ルネサス エレクトロニクスは10月29日、2015年3月期上期(4~9月)の決算概要を発表した。
売上高は前年同期比0.0%と横ばいの4169億2800万円、営業利益は同144.2%増の505億2600万円、経常利益は同252.9%増の490億9400万円、そして純損益は前年同期の128億1000万円の損失から、351億1800万円の利益へと黒字転換を果たした。
同上期は、同社が進めてきた選択と集中により、民生用電子機器向け半導体製品などの売り上げが減少したものの、自動車や産業機器向け半導体が堅調に推移したこと、ならびに中小型液晶パネル向けドライバICの需要増や為替の改善などの影響があり、半導体単体の売上高は前年同期比0.9%増の4008億円となったという。
また、営業利益は自動車および産業機器向け半導体が堅調であったこと、ならびに為替レートが改善したこと、構造改革による売り上げ総利益率などの収益構造の改善などが進んだことによって505億円を達成したとするほか、純損益については、営業損益や経常損益の改善に加え、事業構造改善費用を中心とした特別損失の計上が減少したことにより黒字化を達成したとする。
第2四半期単体で見た場合、半導体は自動車向けが車載制御ならびに車載情報向けが増加したことにより、前年同期比8.1%増となる788億円となったものの、OA・ICT、汎用製品、産業・家電といった汎用事業が同10.4%減の1197億円となり、合計で同3.9%減の1996億円となったという。また、純損益については、事業構造改革費用を中心とした特別損失の計上が減少したことなどにより139億円の利益を達成したという。
なお、同社は2015年3月期第3四半期(累計)の業績を合わせて発表しており、売上高を5959億円、営業利益を635億円、経常利益601億円、純利益461億円としている。この中には、同日併せて発表した早期退職優遇制度の実施によって生じる費用約100億円を特別損失として計上したものとしている。