米Forbesがスポーツビジネス規模を測定する年次ランキング「Forbes Fab 40」を発表した。スポーツが関連する製品やビジネス、イベント、チーム、個人の4カテゴリで、それぞれ事業価値が高い順からトップ10がランキングされている。
1つ目の「ビジネス」の部では、Nikeが一位に輝いた。ブランド価値は190億ドル、昨年の173億ドルから17億ドルも価値を大きくした。Nikeは、Jordanブランドなど米国の陸上競技フットウェアの62%を占めており、シェアも拡大しているとのことだ。2位はWalt Disneyが所有するスポーツ専門チャンネルのESPN、今年の営業上のキャッシュフローは45億ドルとなっている。
3位はFIFA World Cupの公式ボールが記憶に新しいAdidasだ。だがその価値は2013年の71億ドルから58億ドルに下がり、Nikeとの差がさらに開いた。ウェア関連では5位のUnder Armour(ブランド価値は41億ドル)、6位Reebok(同8億8000万ドル)などが入っている。
2つ目「イベント」では、やはり「Super Bowl」が圧倒的トップとなった。チケット、ライセンス事業、スポンサー、メディアなどから1日の収益が5億ドル。今年のSuper Bowl XLVIIIの30秒TVコマーシャル枠の価格は400万ドル、10年前から44%アップしているという。
続いて、4年に1度の「Olympic Games」の夏と冬が続き、サッカーの祭典「FIFA World Cup」が4位。今年のブラジルワールドカップは最高記録の42億ドルを売り上げ、21億ドルの収益を上げたとのこと。ブランド価値はそれぞれ、3億4800万ドル、2億8500万ドル、1億7000万ドル。
このほか、全米大学競技協会の男子バスケットボールトーナメント「NCAA Men’s Final Four」(ブランド価値は1億4300万ドル)、欧州サッカー連盟の選手権「UEFA Championships League」(同1億3900万ドル)、大リーグこと「MLB World Series」(同1億500万ドル)などが続く。8位には、米プロレス団体の「WrestleMania」が1億500万ドルで初登場した。今年視聴率が初めて米国で100万世帯に到達したとのこと。
3つ目はチームのブランド価値だ。1位は田中将大選手の移籍先である「New York Yankees」、ブランド価値は昨年の4億4300万ドルからアップして、5億2100万ドルに。
2位と3位はスペインの宿敵サッカーチーム、「Real Madrid」と「Barcelona」が続いた。ブランド価値はそれぞれ4億8400万ドル、4億3800万ドルとなった。Real Madridは昨年の首位からの2位転落となり、Barcelonaは700万ドル程度のアップとなっている。サッカーでは5位、7位にそれぞれ、「Manchester United」「Bayern Munich」がランクインした。
4位は再び米国、アメフトの「Dallas Cowboys」が4億400万ドルと推定されている。アメフトでは、Wi-Fiをスタジアムに備えて専用アプリを提供してファンの満足度を向上させているマサチューセッツの「New England Patriots」も6位にランクしている。
野球では、1位のYankeesのほか、8位に「Los Angeles Dodgers」(ブランド価値2億7900万ドル)、9位に「Boston Red Sox」(同2億6000万ドル)などが入っている。
最後、4つ目は「選手」だ。今年はトップが入れ替わり、バスケットボールのLebron James氏が初の首位に。Nike、Coca-Colaなどのスポンサーを得て、ブランド価値は3700万ドルと推定された。
2位は、Tiger Woods氏。2007年から1位を維持してきたが、ついにその座を譲り2位にダウンした。ブランド価値は昨年の4600万ドルから今年は3600万ドルに減少している。Electronic Artsとのゴルフゲーム(「Tiger Woods PGA Tour」)契約打ち切りが響いたようだ。
3位はテニスのRoger Federer氏、4位はゴルフのPhil Mickleson氏、全英オープンで初優勝が価値を上げたようだ。
5位以下は、インドのクリケット選手Mahendra Singh Dhoni氏、世界で一番早い男、Usain Bolt氏、Real Madridのスター選手Cristiano Ronaldo氏、バスケットボールのKobe Bryant氏、BarcelonaのLionel Messi氏ら常連が続く。そして、10位にテニス界からRafael Nadal氏が初のランクインを果たした。