Cadence Design Systemsは10月22日(現地時間)、ISO 26262準拠の準備に必要とする労力を最大で50%削減する、自動車向け安全検証ソリューションを発表した。
同ソリューションは、同社の機能検証プラットフォームIncisiveに拡充された故障注入と安全性検証の新技術により、自動車のエンジニアによるトレーサビリティ、安全性検証、TCL(Tool Confidence Level)といったISO 26262準拠手順の自動化をサポートするものである。これにより、IP、SoCやシステムの設計において、故障注入および結果解析のための時間のかかる手作業での検証プロセスを自動化することによって、準拠のための労力を軽減する。さらに、Incisive Functional Safety SimulatorとIncisive vManagerのFunctional Safety Analysis機能を含み、Incisive Enterprise Simulatorのコンパイルコードのエンジンで動作する新開発のシミュレータは、実行性能を最大10倍に加速し、機能およびミックスシグナル検証環境のシームレスな再利用を可能にすることで、機能安全シミュレーションで従来使用されていたインタープリタ型のVerifault-XLエンジンに対して、安全性検証の開発時間を加速する。
また、安全システムが故障を検出する能力は、ISO 26262準拠の決定的な評価方法となっている。Functional Safety Analysis機能を使うと、シミュレータで作成した故障辞書から安全性検証リグレッションテストを自動生成することができ、設計中の安全システムを検証するためにシミュレーションに挿入された数百万にも及ぶ検出可能、部分検出可能、あるいは検出不可能な故障をIncisive vManagerソリューションで追跡することができる。安全性のメトリクス追跡を自動化することによって、Incisive機能安全ソリューションは何十人月もかかっていた労力を自動化し、半導体メーカーから自動車メーカーに至るまでのシステム設計チェーンで必要とされる追跡可能な検査証跡を提供するとしている。
なお、Incisive Functional Safety SimulatorとFunctional Safety Analysis技術は、同社のSystem Development Suite(SDS)の構成要素で、半導体およびシステムメーカーが直面する最大かつもっとも複雑なハードウェアとソフトウェアの協調開発の課題に対応するものである。現在、Incisiveの機能安全ソリューションは、一部の限定顧客向けに提供されている。一般向けには、2015年前半より販売が開始される予定。