Microchip Technologyは10月22日、マイコン内蔵のアナログ電源(DEPA)コントローラ「MCP19118/9」2品種を発表した。

デジタル制御電源が各種の動作条件とトポロジに対する構成の柔軟さのため急速に普及するのに伴い、電源システムの設計においても、PMBusなどの標準の通信インタフェースを介した遠隔計測情報の報告と双方向通信の機能に対する必要性が高まっている。さらに、最近リリースされたUSB充電仕様は、可変充電電圧に対応してデバイスの急速充電を可能にするが、これは潜在的に難しいハードウェア要件となるという。

同製品は、デジタルマイコンによる柔軟な設定により、最大40VまでのDC/DC同期降圧型コンバータ向けのシンプルで効率的なアナログPWM制御を提供する。また、40Vの動作とPMBus通信インタフェースを組み合わせている。これらの機能により、内蔵8ビットPICマイコンにアナログ制御ループをプログラムした電力変換回路の迅速な開発が可能となっている。用途としては、バッテリ充電、LED駆動、USB Power Delivery、POL電源、車載電源などの電力変換アプリケーションを挙げている。

具体的には、監視用マイコンを統合することで、プログラマブル電源が作成可能で、100kHz~1.6MHzのスイッチング周波数、電流制限、電圧設定ポイントなどの主要なシステム設定は、デバイスの動作中に書き込みコマンドをレジスタに発行することで調整できる。これにより、別のアプリケーションに設計を再利用することができ、ファームウェアアップデートを使って設定を変更し、複数のプラットフォームにわたる設計、製造、在庫要件を最小限に抑えることができる。さらに、統合されたマイコンコアを使い、アプリケーションの他の部分を監視することで、起動動作のシーケンシング、フォルト/低電圧条件/ブラウンアウト条件のインテリジェントな管理、ハウスキーピング機能の実行、負荷要件に応じた電力出力の調整、モジュールの外部インタフェースの支援を行うことができる。そして、統合されたリニアレギュレータ、PWMジェネレータ、A/Dコンバータ(ADC)、MOSFETドライバ、アナログエラーアンプ、制御ループ補償により、非常にコンパクトな回路ソリューションを提供する。加えて、適切に実装することで、高い変換効率、優れた過渡応答を発揮すると同時に、携帯型アプリケーションにおけるシステムの電力損失を低減し、ヒートシンクの小型化、バッテリ動作時間の延長を実現する。この他、カスタマイズされたSMBusまたはPMBus互換のコマンドを使い、I2Cインタフェースを介してデータを提供することもできるとしている。

なお、パッケージは「MCP19118」が4mm角の24ピンQFN、「MCP19119」が5mm角の28ピンQFN。両品種ともサンプル出荷を開始しており、それぞれ5000個単位の量産出荷を開始する。

マイコン内蔵のDEPAコントローラ「MCP19118/9」