シュナイダーエレクトリックは10月22日 、データセンターやサーバルームのエネルギーの効率化に向けたライフサイクルを総合的にサポートする新サービス「データセンターライフサイクルサービス(DCLS)」の提供を同日より開始すると発表した。
同社は、データセンターやサーバルームのライフサイクルを計画・設計・構築・運用・解析の5つのフェーズに分類するが、DCLSは各フェーズでのコンサルティングサービス、アセスメント、構築段階でのプロジェクトマネジメント、運用段階での各種運用支援サービスからなる。
日本国内では「コンサルティングサービス」と「アセスメントサービス」の2つのサービスから開始し、順次サービスを拡大していく。
コンサルティングサービスは、建築や設備の計画段階でITシステムが必要となる要件を漏れなく反映させ、設計や構築段階では実運用に適したデータセンターやサーバルーム建設のサポートをする。すでにデータセンターやサーバルームを運用しているユーザーには、設備更新や増設・移設の検討に際し、長期にわたって今後も安全で高効率、高可用性を維持していくための支援をする。
一方のアセスメントサービスは、データセンターやサーバルームの環境や設備機器の実効能力を調査し、電力消費量、冷却能力、運用効率などを分析することで現状の課題と今後の改善ポイントを可視化する「データセンターの健康診断」を提供。また、課題に対する改善策も提言する。
このようなサービスを提供する背景について、シュナイダーエレクトリック データセンターライフサイクルサービス 部長 唐木眞氏は、「全世界の消費電力にうち、データセンターが1.8%を消費しており、大きなポジションを占めているため、電力量を削減に貢献していかなければならない。日本は建物の価値は将来なくなるという考えあり、年数が経つとメンテナンスを行わなくなり、建物の寿命も短い。欧米は建物の価値は継続するという価値観があるため、メンテナンスをしっかりやっているため寿命が長い。日本でも長く使っていくコンセプトでやっていくべきだ」と説明した。
ある調査会社によれば、2018年には築20年以上経過するデータセンターの床面積の割合が半数を越えるという予測があり、重要設備が耐用年数を迎える。
唐木氏は、「データセンターのライフサイクルは10年、20年単位だが、IT技術たビジネスニーズは数年で一変する。この異なるスピードの2つを調和させ、効率的にITを活用するためには、ITとともに、データセンターを進化させていく必要で、データセンターの最適化をライフサイクルの視点で考えていくことが重要だ」と指摘した。
また、シュナイダーエレクトリック 代表取締役 副社長 アルノ・モンディ氏は「世界のエネルギー消費は膨張し続け、収まる気配はない。エネルギーの効率化を実現するのがシュナイダーエレクトリックのミッションだ。今後はソリューションやサービスも提供していきたい」と述べた。