米ガートナーはこのほど、2015年以降にIT部門およびユーザーに影響を与える重要な展望「Gartner Predicts 2015」を発表した。
今回は、「人とマシンの長年にわたる関係がデジタル・ビジネスの登場によってどうシフトしたか」というテーマの下、10の展望が挙げられている。
2018年までに、デジタル・ビジネスに必要なビジネス・プロセス・ワーカーの数は従来のモデルの50%で済む一方、主要なデジタル・ビジネス業務は500%増える。
2017年までに、コンピュータ・アルゴリズムで考案された、重大で破壊的なデジタル・ビジネスが登場する。
2018年までに、業務運用の総合保有コスト (TCO) は、スマート・マシンと産業化されたサービスによって30%削減される。
2020年までに、ワイヤレス健康モニタリング・テクノロジーの普及によって、先進国における平均寿命が0.5歳延びる。
2016年末までに、オンライン・ショッピングでは20億ドル以上がモバイル・デジタル・アシスタントによって実行されるようになる。
2017年までに、米国内の顧客によるモバイルを利用した購入行動によって、米国のモバイル・コマースの売上はデジタル・コマースの売上全体の50%に達する。
2017年までに、デジタル・ビジネスモデルを成功に導いている企業の70%が、顧客ニーズの変化に合わせてシフトできるようにデザインされた、意図的に不安定なプロセスに依存するようになる。
2017年までに、消費者製品への投資の50%が、カスタマー・エクスペリエンスのイノベーションに向けられる。
2017年までに、耐久消費財を扱うE-Tailer (オンライン販売のみの小売企業) の20%近くが、3Dプリンティングを使用してパーソナライズした製品を提供するようになる。
2020年までに、ターゲット・メッセージングと屋内測位システム (IPS) を組み合わせて活用する小売企業の売上は、5%増加する。
ガートナーのバイスプレジデントで、最上級アナリスト兼ガートナー・フェローのダリル・プラマー氏は、「ここしばらくの間、私たちの日常生活でマシンが果たす役割のシフトが続いている。今、コンピューティング・ベースのマシンは、私たち人間の活動範囲を広げるさまざまな環境をつくり出すことに利用されている。ユーザーとのよりパーソナライズされた関係を確立するため、マシンはさらに人間的な特性を備えるようになってきており、近い将来、人とマシンは共に作業する間柄になるだけでなく、互いに依存し合う関係にさえ発展する可能性が見えてきている」と語っている。