博報堂生活総合研究所は今年5月、あらゆる業種・職種の人間が、未来の暮らしに繋がるアイデアを出し合うプロジェクト「生活者発想人倶楽部」を発足。10月15日から、その本格的な運用を開始した。
「生活者発想人倶楽部」は、NPO、行政・教育関係、職人など、さまざまな業種で活躍する人々が「倶楽部メンバー」となり、ひとりの生活者として未来を考え合うプロジェクト。ここで生まれたアイデアは、誰でも使えるヒントとして「生活者発想人倶楽部」のサイトで公開している。
同サイトでは、
「『都会は不便だなぁ…』と感じることは?」
「いま恋をするとしたら、どんな人を求めますか?」
「暮らしの中で減りはじめた『音』を探してみましょう」
「『心を込めてほしくない』サービスは?」
といった「生活を見つめ直す質問」が30個用意されており、その質問を基に倶楽部メンバーが投稿した気づきやアイデアを閲覧することが可能。例えば、「『心を込めてほしくない』サービスは?」という問いかけに対しては、
「ポイントカード持ってますかってもう聞いて欲しくない」
「洋服屋さんの店先までのお見送りサービス」
などが投稿されている。また中には、倶楽部のメンバー同士がアイデアを共創することもある。例えば、「このごろ『復活してきているな』と思うものは?」という質問に対し、あるメンバーが
「お酒・お菓子・調味料など、『量り売り』で商品を提供しているお店が増えているように思います」
と投稿すると、他のメンバーが、
「廃棄されたパッケージを再生することすら、 環境負荷と考えられる時代へ」
と考え、「エコバッグのバージョンアップ」を発想。「単なる袋ではなく、卵がはだかで運べる、惣菜用のタッパウエアのような仕切りボックスがあるなど、食材をそのまま温度管理しながら運べるツールに」と提案している。
倶楽部メンバーの発想や共創のプロセスは、社会資源として公開中で、「自分の仕事や活動に使えるヒントやアイデア」と感じるものがあれば、倶楽部へ一報した上で、自由に活用することができる。なお、サイトの掲載内容は、毎月5日に更新される予定。