三菱重工業は10月20日、内歯車を高速・高精度に加工する「三菱スーパースカイビングシステム」を開発したと発表した。

スカイビング加工とは、ピニオンカッター型などの回転工具をワーク(歯車材)に対して軸交差角度を与えて取り付け、両者を同期回転させることで切削加工する技術。ピニオンカッター型などでは切削角度(すくい角)が鈍角となるため加工精度を高めることが難しく、工具も激しく消耗するという課題があった。

同システムでは、世界初の新工具「スーパースカイビングカッター」を開発・採用したことで切削速度、加工精度を向上させるとともに、多刃にすることで工具寿命を2倍以上伸ばしたという。さらに、スカイビング専用に切削シミュレーションソフトを開発し、工具切刃にかかる切削力などを正確にシミュレーションすることで、工具の長寿命化と加工機に合わせた最速加工を実現する。

同社によれば「従来のスカイビングが抱える技術的課題をクリアしたことで、加工が難しい内歯車を量産できることが特長で、工具の長寿命化と加工時間短縮の実現により、生産コストの低減が期待できる」とのこと。2015年4月をめどに工具および専用スカイビング盤の販売を開始する計画だ。

「スーパースカイビングカッター」