ソニーは10月16日、星明かりよりもさらに暗い、闇夜に相当する低照度0.005ルクス(lux)の環境においても高画質なカラー映像の撮影を可能とする、世界最高クラスの感度を実現した車載カメラ向けCMOSイメージセンサ「IMX224MQV」を発表した。

車載カメラ向け1/3型有効画素数127万画素のCMOSイメージセンサ「IMX224MQV」

400ルクスの「IMX224MQV」の撮影サンプル画像

同製品は、光を電子に変換する効率を高めたフォトダイオードを採用するとともに、電子から電圧への変換効率を高めた回路を搭載することで、従来比約2倍の世界最高感度2350mV(標準値 F5.6)を実現している。加えて、最大72dBまで電気信号の増幅が可能なプログラマブルゲインアンプの搭載により、最低被写体照度0.005ルクスを達成した。また、従来の複数回露光のWDR(ワイドダイナミックレンジ)方式と比較して、露光時間を拡張することができるWDR方式に対応している他、対応ISP(Image Signal Processor)との組み合わせにより、低照度領域の画質を改善することができる。さらに、目に見えない近赤外領域の光に対する感度を向上した画素構造を採用したことで、近赤外用LEDを照射しながら撮影するシステムで使用した場合に、被写体の認識精度を高めることが可能となっている。この他、自動車向け電子部品の信頼性試験基準「AEC-Q100」への対応を予定している。

なお、サンプル価格は1500円(税抜き)。11月よりサンプル出荷を開始し、2015年12月より量産を開始する予定。ソニーでは、同製品を皮切りに、将来の自動運転車に向けて市場の拡大が見込まれる車載用途のCMOSイメージセンサの開発を積極的に進めていくとしている。

低照度0.005ルクスの「IMX224MQV」の撮影サンプル画像

0.005ルクスの従来品の撮影画像