パナソニックは10月14日、企業向けMVNOサービス事業に本格参入すると発表した。

MVNOは、仮想移動体通信事業者のことで、物理的な移動体回線網を保有しない事業者がMNO(移動体通信事業者)から回線網を借りることで、通信サービスを提供する。

パナソニックは、通信帯域の制御と通信回線容量の管理を自社で行えることに注目。これにより、ユーザー企業の用途に合わせたフレキシブルな無線通信サービスプランが提供できるようになるという。

また、同社の無線対応機器と保守・運用サービスというハードウェアと通信回線、運用までという一気通貫のワンストップソリューションが提供できることもメリットとして挙げている。

MVNOサービスの第一弾として、10月2日に同社が発表した「Let's note RZ4シリーズ」に同社のMVNOサービス対応SIMカードを搭載したモデルを用意。専用の無線通信回線プランを提供するという。

パナソニックのMVNOに対応するSIMカードを搭載するLet's note RZ4シリーズ

なお、現時点では料金プランなどを確認できるWebサイトは用意されていない。

スマートフォンは?個人向けは?

パナソニックは、個人向けスマートフォン事業から現在撤退しており、法人向けにスマートフォンライクなTOUGHPADが提供されているのみだ。

今回のMVNOサービスを提供するパナソニックのカンパニー会社「AVCネットワーク」に問い合わせたところ、MVNOによるスマートフォンの提供は「今すぐにという風には検討していない」という。発表にある通り、「サービスと端末をセットで提供するもので、端末ありきの話ではない」とのことで、「MVNOだからスマートフォンを提供する」わけではないようだ。

また、個人向けにもMVNOサービスを提供するかという質問に対しても同様の答えで、あくまで「法人向けにパナソニック製品とサービスを組み合わせたソリューションの提案」に限定して展開していくという。

ただ、法人向けの中では、リリースに「IoT時代に求められる多様なインターネット接続ニーズに対応」と書き記しているように、IoT時代の「全てのものがインターネットに繋がる」点を重視。

「顧客企業さまから『パナソニックのこの製品を使ってネットに接続するのに、MVNOでどんなことができるのか』というお話をいただいたら、適宜対応していく」としており、法人ユーザーのニーズに合わせたソリューション展開を主軸としてサービス展開を行なっていくとしている。