アジレント・テクノロジーは10月9日、「分析」、「装置」、「ラボ」の3つの側面から効率化を図った次世代液体クロマトグラフ(LC)「1290 Infinity II LCシステム」を発表した。
同システムは、同社のInfinity LCシリーズの最上位に位置づけられている「1290 Infinity LCシステム」をさらに機能強化したもので、効率化を目指して搭載しているほとんどのモジュールを刷新したという。
3つの効率化における「分析」という面では研究者やサイエンティストに向けた分析・結果データの効率の最適化が図られたという。特にキャリーオーバーは、従来は0.004%以下であったものを0.001%以下に低減することに成功したほか、1Dと複数のサンプルを分析可能な2D-LCをサンプルの複雑さに応じてシステムを切り替えることを可能としたとする。
また「装置」の効率最大化としては、1台のオートサンプラで2つのサンプル注入用ニードルを装備。これにより、サンプル注入から次の注入まで最短5秒で行うことが可能になったとする。
さらに「ラボ」の効率最大化としては、従来のHPLCとUHPLCの分析条件を自由に適用可能としており、これにより同じ結果を再現することが可能になったとする。これにより、当面従来のHPLCとして用いつつ、将来的な公定法が変わった後、UHPLCとして利用することなどが可能になるという。
なお、受注は即日開始しており、出荷は11月中旬からを予定しているという。価格はモジュールの構成により変わってくるが、高性能なシステム一式の場合であっても約1100万円(税別)程度から、一般的な多機能システムの構成でも約970万円(税別)から、となっており、年間100台の販売を目指すとしている。