MathWorksは10月9日、MATLABにさまざまな新機能を追加した「Release 2014b(R2014b)」を発表した。
MATLABプロダクトファミリとしてR2014bで追加された新機能としては、以下のとおり。新しいグラフィックス システム、ビッグデータの大幅なサポート、コードをパッケージ化し共有する機能、ソース コントロールの統合などが含まれているという。
- 新しいMATLABグラフィックスシステム
- Hadoop上での利用を可能にするデスクトップ上でビッグデータ処理をするための新しい関数
- GitとSubversionソースコントロール統合とFile ExchangeからのGitHub上のプロジェクトへのアクセス
- MATLABツールボックスによりカスタムツールボックスを簡単に共有しダウンロードするための単一のインストール可能ファイルとしてパッケージ化
- 時間帯と表示オプションをもつ日時データ型
- モーターやアクチュエーターとのインタフェースのため、およびセンサ データにアクセスするための、ArduinoおよびAndroidハードウェアサポート
- C/C++およびPython環境で使用するためのクライアントライブラリ「MATLAB Production Server」
- SVMなどのバイナリ分類器用、および一般化線形混合効果(GLME)モデル用のマルチクラス機械学習フレームワーク「Statistics Toolbox」
- Bloomberg B-PIPEおよびThomson Reuters Eikonの接続を行う「Datafeed Toolbox」
- MATLAB Coderによる19個の関数のための、画像セグメンテーションアプリ、領域解析アプリ、およびCコード生成を行う「Image Processing Toolbox」
- 空欄記入式のWordおよびHTMLフォームによるカスタムレポートの強化がなされた「MATLAB Report Generator」
一方のSimulinkプロダクトファミリはR2014bで、連続シミュレーションの実行やモデル構築の高速化を可能にする以下のような新機能が搭載されたという。
- 高速モデル構築のためのスマート編集キュー、およびアニメーションとインタフェース
- 連続したシミュレーションを迅速に実行するための、高速シミュレーション再起動
- SimulinkおよびStateflow内のどこからでも作成し、呼び出すことのできる再利用可能な関数のためのSimulink Functions
- Simulation Data Inspectorでのライブ ストリーミングおよびデータカーソル
- 「Simscape」:物理接続を表現するためのドメイン固有ラインスタイル
- 「Stateflow」:条件付きブレークポイント、ウォッチデータ、高速アニメーションモードを備えた高速デバッグ機能
- 「Simulink Report Generator」:空欄記入式のWordおよびHTMLフォームによるカスタムレポートの強化
このほか、各種のToolboxやコード生成ツールの機能拡充なども施されており、例えば「DSP System Toolbox」ではEmbedded CoderによるNE 10サポート付きのARM Cortex-Aコード生成、およびマルチステージサンプルレートコンバータが追加されたほか、 「HDL Coder」では Xilinx Vivado統合およびAltera SoCのためのAXIインタフェース生成によるIPコアのサポート、「HDL Verifier」ではFPGAインザループシミュレーションのためのXilinx Vivadoのサポートなどが行われたという。
なおR2014bはすでに入手可能な状態になっているという。