三菱マテリアルは10月8日、独自のフッ素化技術と有機合成技術により、瞬時に油と水を分離する世界初の「フッ素系化合物」を新たに開発したと発表した。
さまざまな製品における「汚れ」対策には、水も油も寄せ付けない防汚特性をもつ「撥水撥油剤」あるいは水になじむことで洗浄を容易にする易洗浄特性をもつ「親水剤」が用いられている。この両方の特性を併せ持つ「親水撥油剤」として、フッ素系材料と、酸化チタンあるいはシリカを複合化した素材があるものの、瞬時に十分な親水撥油性を発現させることはこれまで困難だった。
同社が開発した化合物はこの両方の特性を併せ持っており、各種材料に塗布することで油汚れを防止し、除去を容易にするため、換気扇などの各厨房機器、油汚れのつきやすい工場の床や機械装置などに活用することができる。
また、布製やセラミックス製などのフィルターに塗布した場合、水を通しながら油は通さない油水分離フィルターとなるため、河川や海岸における油流出事故の復旧作業、石油資源の採掘現場など、大規模かつ効率的な油水分離処理が求められる分野への応用も期待されるという。