米アドビ システムズは、10月6日から8日の期間に米カリフォルニア州ロサンゼルスで開催される同社主催のクリエイティブカンファレンス「Adobe MAX 2014」において、新しくなったモバイルアプリ群などを含む「Creative Cloud」のマイルストーンリリースの提供開始を発表した。
今回のメジャーリリースには、新しいモバイルアプリ群と、連携する13の主要なCCデスクトップツールの大幅な機能アップデートが含まれるほか、「Photoshop CC」「Illustrator CC」の最新バージョンには、「Microsoft Windows 8」および「Surface Pro 3」のタッチサポートに関する飛躍的な進化が含まれるとのこと。
また、CCデスクトップツールと9つの新しいモバイルアプリを連携させることで「Photoshop」、「Lightroom」、「Illustrator」、「Premiere」の機能をモバイルデバイスにまで拡張するクリエイティブプロファイルもリリース。これにより、クリエイターは場所に関係なく各自の作品や制作に使用するアセット、コミュニティへのアクセスが可能となる。
新しくなったモバイルアプリ群
モバイルアプリのPhotoshopファミリーでは、「Photoshop Sketch(従来のAdobe Sketch)」、「Photoshop Mix」、「Lightroom Mobile」のアップデートなどを実施。Photoshop Sketchでは、新しい内蔵ブラシを使って描画を行い、Photoshop CCおよびIllustrator CCとワークフローの統合が可能となる。Photoshop Mixは、モバイル合成機能の拡張やiPhoneへの対応を実現。Lightroom Mobileは、デスクトップとモバイルの統合ワークフロー上に構築され、オンラインで共有している写真からお気に入りの選択やコメントを残す機能、Lightroomデスクトップと同期可能となったiPhoneからのGPS情報などを提供する。
Illustratorファミリーでは、「Illustrator Draw(従来のAdobe Ideas)」と「Illustrator Line(従来のAdobe Line)」をアップデート。Illustrator Drawでは、先進的で合理化されたインターフェースから、お気に入りのベクトル描画ツールおよび機能にアクセスが行える。Illustrator Lineでは、iPadで正確な幾何学図形や遠近法を用いたパース図の作成が行えるほか、Illustrator CCにアートワークを送信し、Illustrator CC側でベクトルデータの編集も可能となっている。
Premiereファミリーでは、新たに「Premiere Clip」をリリース。同アプリでは、iPhoneまたはiPad上のビデオショットを共有に適したビデオに編集・変換でき、作品をPremiere Pro CCに送信することで、高度な編集や仕上げを施すことも可能。
新カテゴリの「キャプチャ」アプリも発表
今回は、デザインを作成してクリエイティブワークフローに取り込むための新しいカテゴリとなる「キャプチャ」アプリとして、「Brush CC」「Shape CC」「Color CC(従来のAdobe Kuler)」の発表も行われた。
Brush CCは、Photoshop CC、Illustrator CC、Illustrator Sketchで使用できるユニークなブラシをiPadまたはiPhone上で写真などを用いて作成できるアプリ。Shape CCは、さまざまな高コントラスト写真をベクトルアートに変換でき、それをCreative Cloud Libraries経由で、Illustrator CCやIllustrator Lineで利用できる。Color CCは、取り込んだ色をテーマとして保存でき、Illustrator CCやPhotoshop CCなどのアドビアプリケーションでそのまま利用することが可能となる。