Maxim Integratedは10月6日(米国時間)、超音波流量計リファレンスデザイン「MAXREFDES70#」を発表した。
従来の機械式流量計は、羽根車を使って水や熱の使用量を測定するが、摩擦による損耗や汚れによって較正の狂いが生じる。そのため、メータの測定値が不正確になり、高コストなオンサイトでの保守が何度も必要になる。この不正確な測定値は収益を減少させ、漏れの検出が妨げられるため、年間数百万ガロンの浄水が無駄になる可能性がある。同製品は、その機械式流量計技術に対する最新の代替品である。機械式メータより10倍高精度で、他の超音波ソリューションより4倍高精度である他、重いバッテリを使用せず、Aサイズバッテリを1個使用して最長20年動作する。具体的には、同製品の高速超音波パルスは毎分わずか0.5リットルの水を1%以内の精度で測定する他、流れの状態に応じて必要なパルス周波数にカスタマイズ可能となっているため、機械式メータでは発見することができないわずかな漏れも検出できる。さらに、可動部分がないため、汚れに強く、摩耗が少なく、保守がほぼ不要であるため、動作可能時間を最大化し、可能な限り高精度のデータを提供する。
この「MAXREFDES70#」の核となっているのが、アナログフロントエンド(AFE)内蔵の完全な時間-デジタルコンバータ「MAX35101」で、上りと下りの超音波パルスの差を測定するほか、30l/hr以下の低レートでの流量測定に対応し、現在市場で最も高精度となる20psの時間-デジタル変換精度を提供するため、必要な精度と確度を備えたユーティリティ、およびその他の産業用の流量測定アプリケーションを短期間で市場に投入することができるという。
なお、「MAXREFDES70#」の価格は、「MAX35101」を備えた回路基板、2つのRTDプローブ、およびスプール本体を含んで500ドル。また、回路図、レイアウトファイル、およびファームウェアは無料で利用することができる。