六本木ヒルズ・森タワーの29階に「YouTube Space Tokyo」という、動画クリエイターのための超豪華なコンテンツ制作施設があるのをご存じだろうか。
同施設は、「和室」や「教室」などセットのある大規模スタジオ、合成撮影用のグリーンスクリーンスタジオ、東京の街を一望できるトークショー&ニュース用スタジオ、レコーディングスタジオなど、さまざまな動画撮影に対応できる設備を備え、日夜クリエイターの製作活動やコミュニケーションのサポートが行われているスペースだ。同スペースは日本(東京)のほか、ロサンゼルス、ロンドン、ニューヨークで展開されており、YouTubeパートナープログラムに参加していることやチャンネルの登録者数が1,000人を超えていることなど、一定の条件を満たしていれば無料で利用することができるというから驚きだ。
そんな「YouTube Space Tokyo」では、ハロウィン特別プログラムとして映画『パシフィック・リム』などを手がけるギレルモ・デル・トロ監督総指揮による動画コンテスト「ハウス オブ ホラーズ」が、10月31日まで開催されている。
このコンテストは、今回のために特別に組まれたホラー仕様のセットを無料で使用し、"最恐"の動画を制作する動画コンテスト。優秀作品を生み出したクリエイターには、デル・トロ監督自身のコンサルテーションのもとで、製作した動画をブラッシュアップする機会が提供されるほか、優勝者にはレジェンダリーエンターテインメントとYouTube上でのシリーズ化契約を結ぶことも可能となっている。
世界中のYouTube Spaces内にはこの企画のために各地で微妙に異なるホラーセットが展開されており、ひとつの大きなホーンテッドハウスの中のさまざまな場所が、時空を超えて各YouTube Spacesに点在しているようなイメージで製作されたのだそう。東京の同施設には、豪華なゴシック調の応接間や庭のセットが登場している。
室内セットは、世界中を旅するコレクターの書斎をイメージしたゴシック調の部屋。あちこちにクモの巣が張っていて古めかしさが演出されていたり、扉が開いて人が中に入れたりと、セットとは思えないこだわり抜いた重厚感のある作り込み。デル・トロ監督のアイディアにより、360度どこを向いても撮影できるよう四方を壁で囲んで作りこまれているのも特徴だ(通常、カメラ側の壁は作らないことが多いという)。
今回は特別に、コンテスト期間中クリエイター向けのワークショップを実施する特殊メイクアーティスト・JIROさんによるホラー動画用の特殊3Dメイクのデモンストレーションも行われた。
「特殊メイクは平面になりがちなので、いかにメイクで立体感(=本物感)を出していくかがカギですね」とJIROさん |
モデルはYouTubeクリエイターの関口愛美さん。ネットカルチャーに詳しい人には「私は特に どこでもいいです」の女性だと言えばピンと来るかもしれない |
明るいところで見ても迫力十分なのだが、メイクを施された関口さんをセットで撮影したものがコチラ!
人物が入るとよりセットに世界観が加わり、動画にもすごみがでてくる。緊張感のある映像の作り方や恐怖を高める音楽の使い方、よりリアルな特殊メイクなど、ホラー動画をもっと恐ろしく盛り上げるためのワークショップも随時開催するそうなので、気になる人はYouTube Spaceのページからスケジュールを確認してほしい。
近年、日本でもにぎわいを見せるハロウィーンだが、今年はホーンテッドハウスで本気の恐怖映画作りにチャレンジしてみるのも面白そうだ。2015年秋にはデル・トロ監督とレジェンダリー・ピクチャーズによるホラー映画『クリムゾン・ピーク』も全米公開となるそうなので、こちらも気になるところ。同コンテストの指揮を執ったデル・トロ監督に敬意を表して、この秋はホラーな映像作りにトライしてみてはいかがだろうか。