ザインエレクトロニクスは10月3日、100mデジタル信号伝送が可能な独自のインタフェースであるI/OSpreaderの新製品「THCS133/134」のサンプル出荷を開始したと発表した。

同製品は、V-by-One HSをはじめとする、同社の豊富な高速インタフェース技術とノウハウを活用して開発された。具体的には、I/OSpreader技術は、パラレル信号をシリアル信号に変換して伝送することにより、スイッチのON/OFF信号、LEDのON/OFF制御信号、モータ制御信号、スピーカ制御信号などの伝送の際に、従来、16本のパラレル信号が必要だったものを1本のシリアル信号のみで伝送することが可能になる。さらに、デバイスアドレスを指定したデータの送受信を行うことも可能で、最大で16個のデバイスを同時に取り扱うことができる。そして、産業機器などにおける長距離の信号伝送のニーズに対応しており、100mの長距離にわたる信号伝送時にも配線本数を削減することが可能な他、内蔵フィルタの機能により優れた強い耐ノイズ特性を実現している。

これらにより、I/OSpreaderは、スイッチ、LED、モータなどを搭載し、配線コストに割くスペースや配線重量を削減することが求められている機器や、信号伝送が必要なヒンジ部・関節部を持つ機器などにおいて、電子基板間伝送での広範な使用が期待される。例えば、マシンビジョン、セキュリティカメラ、ビル関連機器、車両機器、自動券売機、銀行などの現金自動引出機(ATM)、販売時点管理システム(POS)端末、複合機、多機能電話機、産業用工作機器、ポンプ、ロボット、搬送装置、内視鏡、アミューズメント機器、スピーカー、家庭用電気製品などの市場での活用が期待されるとしている。

なお、パッケージは16ビット対応の「THCS134」がQFN-20、8ビット対応の「THCS133」がDIP-20。

100mデジタル信号伝送が可能な独自インタフェースI/OSpreaderの新製品(右)「THCS133」、(左)「THCS134」