米Hewlett-Packard (HP)は10月6日(現地時間)、同社をITおよびエンタープライズ向け事業の「Hewlett-Packard Enterprise」と、パーソナルシステムおよびプリンタ事業の「HP Inc.」に分割する計画を発表した。2015事業年度末 (2015年10月)までに完了させる予定。

HPは2011年にも低価格競争の影響で収益が悪化したPC事業のスピンオフを検討したが、同年9月にCEOに就任したMeg Whitman氏が計画を白紙に戻した。今回の企業分割については「3年間の変革計画を経て、われわれは堅固な立場にある」と指摘。それぞれが市場や顧客の変化にすばやく対応し、柔軟にサポートするための分割であるとしている。2014年度第3四半期末(2014年7月)までの12カ月間の売上高は、プリンティング&パーソナルシステム事業が572億ドル、エンタープライズグループおよびエンタープライズサービス、ソフトウエア、ファイナンシャルサービスが584億ドル。現時点ではほぼ同じ事業規模の2つの会社が誕生する。

現HPの社長兼CEOであるMeg Whitman氏が、Hewlett-Packard Enterpriseの社長兼CEOに就任する。同社の事業は、サーバー、ストレージ、ネットワーク機器、ソフトウエア、垂直統合システム、サービスおよびソフトウエア、OpenStack Helionクラウドプラットフォームなど。現在のポートフォリオを活かして、クラウド、ビッグデータ、セキュリティ、モビリティの分野で事業機会を広げる。

HP Inc.は、デスクトップPC、ワークステーション、ノートPC、モバイル機器、プリンタ、プリンティングサービスなどを提供し、また3Dプリンタや新たなコンピューティング体験といった個人向けの成長市場への投資に取り組む。現HPのプリンティング&パーソナルシステム事業担当エグゼクティブバイスプレジデントであるDion Weisler氏が社長兼CEOを務める。そしてMeg Whitman氏が会長に就く。現在の「hp」の2文字を使ったロゴは、HPとして事業を展開するHP Inc.が引き継ぐ。