STMicroelectronicsは10月2日、低耐圧パワーMOSFET「STripFET F7」シリーズに、車載グレードに準拠した100V耐圧の「STH315N10F7-2/6」、および「STP315N10F7」3品種を追加したと発表した。

同製品は、ボディドレイン間ダイオードの性能を最適化し、動作電圧範囲全体にわたって電圧スパイクやスイッチングノイズを最小限に抑えている。これにより、従来以上のロバスト性、信頼性、電力効率を実現する設計を可能にしている。また、デバイスのオン抵抗を低減すると同時に、内部電気容量およびゲート電荷を低減し、従来以上に高い電力効率で高速なスイッチングを実現する強化されたトレンチゲート構造を採用している。さらに、業界で最も低い単位面積当たりのオン抵抗(RDS(on)xArea)、およびターンオフエネルギー(Eoff)を達成している。加えて、スイッチングノイズを最小化するためにCrss/Cissの静電容量比率が最適化されている他、逆回復を適切なレベルで緩やかにしたダイオードも備え、EMI/EMCの不要輻射を低減する。その結果、外付けフィルタ回路が不要となり、基板面積とコストを低減することができる。この他、車載用認定であるAEC-Q101に準拠している。これらにより、3品種はハイブリッド車や電気自動車のDC/DCコンバータ、DC/ACコンバータ、LC共振コンバータなど、大電流と高い電力密度および優れた効率を必要とする車載アプリケーションに最適であるとしている。

なお、「STH315N10F7-2/6」は、浮遊インダクタンスが少なく、電流容量が大きいH2PAKパッケージ、「STP315N10F7」は標準のTO-220パッケージで提供される。価格は、1000個購入時で「STH315N10F7-2/6」が約3.80ドル、「STP315N10F7」が約3.50ドル。3品種とも現在量産中。

車載グレードに準拠した100V耐圧パワーMOSFET「STH315N10F7-2」、および「STP315N10F7」