Texas Instruments(TI)は10月2日、消費電力が25~160MSPSでピン互換の産業機器向けA/Dコンバータ(ADC)「ADC3k」ファミリを発表した。

同ファミリは、サンプリングレートが最大160MSPSで、12/14ビット、2/4チャネル、インタフェースがJESD204B/LVDSの製品で構成されている。-40℃~85℃の産業用周囲温度範囲に対応しており、モータ制御、医療用画像処理、ポータブル試験/計測機器などの産業機器の他、ソフトウェア無線やMIMO通信などの防衛、通信機器に最適という。

具体的には、サンプリングレートが最速の160MSPS時にチャネルあたりの消費電力を競合製品に比べて80mW低い200mWに低減しており、電力対性能比を30%向上させている他、25MSPS時のチャネルあたりの消費電力は44mWとなっている。さらに、幅広いピン互換製品で構成されており、サンプリングレートやチャネル数に関する多様なシステム要件に対応できる。また、4チャネル内蔵で160MSPS製品の場合、既存製品と比較してサイズを半減している。そして、JESD204Bインタフェース搭載製品は、サンプリングレートが最大3.2Gbpsで、サブクラス0、1、2に準拠。最大160MSPSのADCの1出力あたり1レーンをサポートし、最大80MSPSの時にはADCの2出力あたり1レーンをサポートする。この他、オプションのディザ機能やチョッパ機能により、SFDR(スプリアスフリーダイナミックレンジ)の向上や、1/fノイズの除去が可能なことから、システム要件に対応した製品性能の最適化が実現する。

なお、パッケージは、4チャネル内蔵のLVDSバージョン製品が8mm角のQFN、その他すべての製品は7mm角のQFNで供給される。また、同ファミリは、2015年末までに製品数が32に増える予定。

消費電力が25~160MSPSでピン互換の産業機器向けADC「ADC3k」ファミリ