ソフトバンクと米レジェンダリー・エンターテインメントは10月3日、戦略的パートナーシップを締結したと発表した。ソフトバンクがレジェンダリー・エンターテインメントに対して2億5000万ドル(約270億円)の出資を行なうが、出資比率については非公開となる。
レジェンダリー・エンターテインメントは、映画の「レジェンダリー・ピクチャーズ」をはじめとしたメディア・コングロマリッド。子会社や合弁会社を通じて、様々な著名作品のリメイクなどを手がけており、バットマンシリーズや今年公開されたGODZILLA ゴジラの制作会社として知られる。レジェンダリー・ピクチャーズが制作に関わった映画の世界累計興業総収入は90億米ドルに達する(ソフトバンクのリリースより)。
両社はパートナーシップの締結によって、成長が著しい中国とインド市場でモバイルプラットフォームを活用したコンテンツ展開を行なう。レジェンダリーが保有するテレビ番組やデジタルコンテンツ、ライセンス、関連商品やその他に付随する知的財産の市場拡大を目指して合弁会社を設立する予定だ。
今回の提携により、ソフトバンクのバイスチェアマンで、SoftBank Internet and Media, Inc.(SIMI)のCEOであるニケシュ・アローラ氏がレジェンダリー・エンターテインメントの取締役に任命される。ソフトバンクによる出資は、諸条件を満たした上で、10月に完了する予定だ。
ニケシュ・アローラ氏は、7月にソフトバンクに参画すると発表された元Googleの最高事業責任者。SIMIは、ニケシュ・アローラ氏の参画に伴い設立された会社で、ソフトバンクがデジタル、メディアの新規領域に投資を行なっていくという。
アローラ氏は「我々は、ソフトバンクが持つ世界的なプラットフォームとインターネット、メディア分野におけるパートナーを活用してクリエイターのデジタル戦略を加速させて海外展開を拡大させる。レジェンダリーはすでに有力なコンテンツプロバイダーであり、このたびの出資について大変嬉しく思う」と語っている。
一方で、レジェンダリーのChairmanであり、CEOのトーマス・タル氏は、「孫 正義氏は、ソフトバンクを世界で最も尊敬される企業の一つに成長させました。ニケシュ・アローラ氏の参画とSIMIの始動により、メディア・エンターテインメント業界と今まで以上に関係を深める素晴らしい機会を得ました。我々は、SIMIにとって初のビジネスパートナーとなり、レジェンダリーの新たな成長を目指し、協業していくことを大変嬉しく思います」と話している。