写真. 松岡聡・東京工業大学教授(提供:東京工業大学)

ファーンバック賞は1992年に創設され、「スーパーコンピュータのアプリケーションに対して傑出した貢献をもたらした画期的なアプローチ」に対して毎年与えられる。計算機科学の国際学会であるIEEEコンピュータソサイエティが毎年授与する研究技術賞の一つで、スーパーコンピュータの学術賞としては最高峰のものとされる。日本人の受賞は今回が初めて。

松岡聡教授がプロジェクトリーダーを務めた東工大のスパコンTSUBAMEは06年の1.0から2.0、2.5へと性能を向上させ、現在は3.0を開発中。一貫して省エネなどで世界のトップを走ってきた。13年11月にはTSUBAME3.0のプロトタイプTSUBAME-KFCが電力性能比のランキングGreen500で日本のスパコンとして初の世界1位、ビッグデータの電力性能ランキングGreen Graph 500でも世界1となり、2冠を達成した。学術振興会賞(2006年)、ISC賞(2008年)、ACM ゴードン・ベル賞(2011年)、文部科学大臣表彰(2012年)などを受賞している。 授賞式は、11月18日に米国ニューオーリンズ市で開催されるIEEE-CSとACMが共同主催するSupercomputing(スーパコンピューティング)2014国際会議の開会式の一部として開かれ、同会議で11月19日に記念招待講演を行う。

松岡聡教授は「世界トップランクのスーパーコンピュータである一連のTSUBAMEシリーズの構築を含む、長年のスパコンの研究開発が国際的に評価されることは大変光栄で、うれしく思っています。多くの内外の共同研究者や各メーカーとの協業、さらには研究プロジェクトへの国民の支援なしには達成できなかったと思います。皆さまのご支援、真に感謝しております」とのコメントを出した。

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