東芝は9月30日、神奈川県横須賀市にある植物工場「東芝クリーンルームファーム横須賀」で野菜の生産を開始したと発表した。10月下旬に出荷を開始する予定。

新工場は、神奈川県横須賀市にある同社所有の遊休施設を活用した、ほぼ無菌状態の閉鎖型の植物工場で、年間300万株のリーフレタス、ベビーリーフ、ホウレンソウ、ミズナ、ハーブを生産し、年間3億円の売上を目指す。

同工場には、植物育成向けに光の波長を最適化した蛍光灯、均一な温度・湿度の環境を実現する空調機器など、同社の最新機器が導入されている。加えて、栽培状況を把握するための遠隔監視システム、梱包材などを消毒する除菌システム、半導体事業で培った生産管理技術など、同社が持つ技術・ノウハウも活用されている。

同工場で生産される野菜は菌の侵入を制限したクリーンルームで育成されることから、雑菌による傷みが少なく長期保存が可能。高い鮮度が長期的に求められるカット野菜やサラダ用をターゲットとし、スーパー、コンビニエンスストア、サラダ・惣菜販売店、飲食事業者などを中心に販路を拡大していく。

同社は、今年度中に海外に大規模な植物工場を建設するとともに、植物工場向けの機器やシステムの販売を開始し、事業拡大を目指す。

「東芝クリーンルームファーム横須賀」