ルネサス エレクトロニクスは9月29日、ヘルスケア機器、産業機器、ビルディングオートメーション向け32ビットマイコン「RX111グループ」にメモリ容量を拡張した品種を追加したと発表した。

近年、ヘルスケア機器や産業用センサ機器などでは、差異化を図るための機能拡張や安全性の向上、コスト低減のための部品共通化などに伴い、ソフトウェア設計が複雑化し、制御に必要なプログラムは増加する傾向にある。この影響により、マイコンを選択する際に、フラッシュメモリ容量の増加が必要となり、消費電力の大きなマイコンの選択を余儀なくされ、機器の稼働時間の短縮や電源能力の拡張を引き起こしていた。

そこで今回、従来のラインアップが、36~64ピンのパッケージ展開で、フラッシュメモリ容量16~128KB、RAM容量8~16KBだったのを、従来比4倍となるフラッシュメモリ容量512KB、RAM容量64KBまで拡張し、製品品種を計31品種から計46品種に増やすことで、同グループの製品ラインアップを強化した。同製品群は32ビットマイコンでは業界トップレベルの64uA/DMIPSの低動作電流、およびRAMとレジスタを保持した状態で440nAの低スタンバイ電流を実現。また、RAM、レジスタを保持したスタンバイ状態から4.8μsで高速復帰できる。これらの特徴により、スタンバイと動作を繰り返す間欠動作では、電流値を削減に加え、スタンバイからの復帰時の電流損失を削減することができ、ポータブル機器やヘルスケア機器のバッテリ稼働時間を延ばすことができるとしている。

なお、12月から生産を開始し、2016年1月には50万個を量産する予定。

ルネサスの「RX111グループ」の大容量化製品