IDC Japanは9月29日、国内企業向けIT市場の2014~2018年地域別予測を発表した。2014年の国内IT市場は、ハードウェア分野での更新需要の落ち込みから10兆2676億円で前年比1.1%のマイナス成長となる予測だという。
2014年は、前年と同様に「アベノミクス」の効果によって国内経済の改善傾向が継続しており、大企業、中堅企業を中心にシステム刷新、新規開発需要は堅調となっている。しかし前年のPC更新需要の反動があったほか、「消費税増税」の影響もあり、流通業など一部の産業分野でIT支出は抑制傾向にあるという。結果、2014年の国内企業向けIT市場はマイナス成長を予測している。
国内企業向けIT市場地域別前年比成長率予測:2014年~2018年(出典:IDC Japan) |
地域別で見ても同様で、各地域でマイナス成長が予測されている。関東地方、近畿地方といった大都市圏では、大手金融機関、大手製造業などの大企業で積極的なIT支出が継続しており、比較的小幅のマイナス成長(関東地方、近畿地方共に前年比成長率マイナス0.8%)を見込む。一方、北海道/東北地方、中国/四国地方、九州/沖縄地方では、地域経済の回復が遅れているため特に低い成長率に留まると見ているという。
なお、2015年の国内経済は堅調に推移するとしており、関東地方、東海地方、近畿地方ではIT支出は拡大する一方、その他の地域ではマイナス成長が継続すると予測している。また2016年以降も、東名阪地域を中心にIT支出は増加予測だが、その他の地域ではIT支出は抑制傾向が継続し、IT支出の「二極化」が進むという。二極化の要因としては、ユーザー企業のIT活用に関するリテラシー(利活用の能力)の地域差が挙げられている。