東芝は9月24日、Bluetooth low energy通信方式と、NFC Forum Type 3 Tag規格に準拠した通信方式を兼ね備えたIC「TC35670FTG」を発表した。

従来は、BluetoothとNFC TagそれぞれのICを用意し、組み合わせてシステム設計する必要があったが、同製品を使用することで、両方の機能を1つのICで実現できる。これにより、従来の2製品を使用する場合に比べ、実装面積を約30%削減できる他、外付け部品点数の削減、コストの削減、ソフト開発が集約できるなどの開発効率の向上、開発工数の削減などが図れる。

また、Bluetooth low energy部とNFC Tag部のI2Cインタフェースを外部接続して使用することにより、NFC Tag部の不揮発メモリ上に確保されている約1.5KBのユーザ領域の同一エリアへ2つの通信方式からデータの書き込み・読み出しが可能となり、さらに相互間の情報の受け渡しも可能になる。

これらにより、Bluetooth low energyとNFC Tagの両方を待ち受け状態とし、最初にアクセス依頼のあった通信と優先接続するといった使用方法や、NFC Tag機能を追加することによって、機器同士のペアリング手続きの簡素化、およびスタンバイ状態の長時間化が実現する。さらに、Bluetooth low energy通信の起動をNFC Tagへのアクセスをきっかけとさせる場合、スタンバイ電流を0.5μA以下の状態で保持できるため、待機電力が気になる電池で動くシステムでも電源をオン・オフするための機械的なスイッチ類を不要にすることができる。

なお、パッケージは、6mm角のQFN40。すでに、サンプル出荷を開始している。

Bluetooth low energy通信方式と、NFC Forum Type 3 Tag規格に準拠した通信方式を兼ね備えたIC「TC35670FTG」