ノークリサーチは9月26日、2014年の国内中堅中小市場における生産管理システムの利用実態に関する調査結果を発表した。調査対象は500億円未満の中堅中小企業で情報システムの導入や運用、選定にかかわる1300人。
なお、ノークリサーチではこれまで全年商帯を対象としたシェアの内訳を掲載してきたが、より細かく市場を理解するため、ユーザーを「5億円以上10億円未満」「10億円以上20億円未満」「20億円以上50億円未満」の3つの区分に分けて以下分析を行っている。
年商5~50億円の中小企業層では隣接する年商帯でも導入社数シェアが異なる混戦状態
各年商区分に対して導入済みの生産管理システム製品/サービスを尋ねたところ、以下グラフのように隣接する年商帯でも製品/サービスの導入社数シェアに違いが見られた。
年商50億円以上の中堅企業層ではスマートデバイス活用が2割
続いて、生産管理システムを導入済みの年商20億円以上50億円未満および年商50億円以上100億円未満(中堅企業層に該当)のユーザー企業に対し、生産管理システムを利用する際の端末環境について尋ねた結果、いずれの年商帯でも従来通りのデスクトップPCやノートPCを主体とした端末環境が多くの割合を占めていることが分かった。
一方、年商50億円以上100億円未満では企業所有のスマートフォンやタブレットが2割程度に達しており、企業所有端末によるスマートデバイス活用も進みつつある状況がうかがえた。
スマートデバイスを生産管理システムで活用する場面は、「製造現場において部品表や工程表を共有する」というものが挙げられるが、紙面での部品表や工程表では変更が生じた時に手違いが発生しやすい。また粉塵や水滴に強く、製造現場でも利用できるノートPCもあるが、大きさや価格の面で必ずしも全ての中堅中小企業にとって導入しやすいとはいえない。
そうした際にスマートデバイスを活用すれば変更が即座に反映される状態で部品表や工程表などを共有できる。ノークリサーチでは生産管理システムの端末環境としてスマートデバイスの割合が意外と高い要因にはこうした背景があるものと分析している。