Texas Instruments(TI)は9月25日、静止電流が100μA未満で、既存製品に比べて消費電力を半減する700VスイッチャIC「UCC28880」を発表した。

同製品は、700VのパワーMOSFETと高電圧電流源を集積しており、スマートメータ、ホームオートメーション機器や白物家電など、出力電流が最大100mAとなる常時動作機器の非絶縁型電源システムの総体的なエネルギー効率を向上させる。また、高い電力効率とシステム性能の維持、システムコストとサイズの低減を実現する他、半導体部品を追加することなく、降圧、昇降圧、フライバックなど各種トポロジのコンバータ設計を可能にする。

さらに、700VのMOSFET、スタートアップ用電流源、内部電流検出回路を29.4mm2の小型7ピンSOパッケージに集積しているのに加え、外付け位相補償回路が不要で、部品数と基板面積をさらに低減する。そして、電流制限機能や、インダクタ電流の暴走防止機能による低負荷短絡保護で設計の信頼性を確保している。また、ヒステリシスリスタート機能による過熱保護で安全性を向上させている他、パッケージ片面への高電圧ピンの隔離配置により、低電圧ピンと高電圧ピンとの間隔を最大化している。

この他、「UCC28880」を搭載したオフラインのAC/DCリファレンスデザイン「PMP8550」は、ソリューション全体のサイズが38mm×32mm×22mmで、13Vの出力電圧をサポートし、最大100mAの出力電流を生成する低コスト、低消費電力の非絶縁型ハイサイド降圧コンバータの迅速な設計を可能にする。

なお、価格は1000個受注時で0.55ドル。また、ローサイド降圧型評価モジュールと、ハイサイド降圧型評価モジュールは、ダウンロード可能なPSpiceモデルが付属し、それぞれ49ドルとなっている。

静止電流が100μA未満で、既存製品に比べて消費電力を半減する700VスイッチャIC「UCC28880」