アジア太平洋のプレス/アナリスト向けテクノロジー・カンファレンス「Zonic Press Briefing」が9月18日に香港で開催された。特別講演では、インフィネラ バイスプレジデント ボンド-ウェブスター氏とソリューションマーケティングシニアディレクター ビナイ ラソール氏が登壇し、同社の最新製品についてと市場動向について講演を行った。

インフィネラ バイスプレジデント A.ボンド-ウェブスター氏

インフィネラ ソリューションマーケティングシニアディレクター ビナイ ラソール氏

インフィネラは、カリフォルニア州のサニーベルにあるナスダック上場企業。製品開発は主にインドで行っており、日本に支社展開をしてから7年が立つ。通信サービスプロバイダやキャリア向けのソリューションを提供しており、日本では、NTTやKDDI、KVHや丸紅といった企業への導入事例があるという。主な製品としては、ネットワークオペレータ向けの「Cloud Xpress」などが挙げられる。販売形態は、直販以外にCTCや日商エレクトロニクスなどとパートナー契約を結んでおりシェア拡大を図っている。

今回発表されたCloud Xpress

今回発表された「Cloud Xpress」は、2011年以来のメジャーバージョンアップである。従来のデータセンターで使われているサーバーとストレージのスペースに設置可能で、既存のシステムに簡単に統合できる。また同製品が小型化されたことで、2つのラックユニットで、500ギガビット/秒の回線容量を確保し活用できる。そして、既存の10ギガビット、40ギガビット、100ギガビットのイーサネットに対応したインタフェースと共存が可能となる。これらによって、42ラックユニットあたり21テラビット/秒と高効率なソリューションを実現できるとしている。

インフィネラの顧客と成長率

また、複数のデータセンターを相互接続している集積された"メトロクラウド"向けに最適化を図っており、広域帯ネットワークへの接続が簡素化されることによって、消費電力の効率化と省スペース化を実現した。さらに、同社のDTN-Xサービスをあわせてアップデートし、パケットスイッチングモジュールをサポートする。

インフィネラ バイスプレジデント A.ボンド-ウェブスター氏は、日本の市場について「他国と同様にデータセンターソリューションの需要があり、今後もさらなる市場拡大の見込みがある」と言及した。また日本の顧客については「ソリューションに対する要求が高く、驚くことがある」としながらも「インフィネラのソリューションは信頼性が高いと考えており、顧客からはとても満足しているとのコメントをもらうことも少なくない」と自信をみせた。

メトロクラウドについて

市場が12パーセントで成長していく中で、同社はアナリストが予測している成長率を大幅に超える200パーセントの成長を誇っており、「40ギガビットの市場ではなく100ギガビットの市場に注力したことがその要因の一つである」と強調し、「2015年から2016年の間に100ギガビットが主流となる時代が来るだろう」同氏は述べた。

2015年~2016年には100ギガビットが主流になると同社は予測している

また、インフィネラ ソリューションマーケティングシニアディレクター ビナイ ラソール氏は「グーグルなどのインターネットコンテンツプロバイダが増えることで、ユーザがやり取りする通信量が飛躍的に増加している現状では、レガシーなシステムを生かしながらのスケールアップ難しい」としたうえで、「インフィネラのソリューションを活用することで無理なくスケールアップを図ることができる」と強調した。

同社は、グローバル市場だけでなくアジアを注視し、日本でも引き続きソリューション提供と市場拡大を牽引していくとしている。