Illustratorによるアートワークの作成作業においては、画像などの他のファイルを配置する作業が頻繁に生じます。Illustrator CCでは、この作業を効率化するための、ファイルの配置に関する機能が強化されています。ここでは、ファイル関連の機能強化について紹介しましょう。
複数のファイル配置
アートワークの制作において、画像などの他のファイルの配置は欠かせない機能です。Illustratorでは、ファイルの配置は、[ファイル]メニューの[配置]で行うのが一般的でしたが、一度に複数のファイルを指定して配置することはできませんでした。
Illustrator CCからは、「配置」ダイアログボックスで、複数のファイルを選択して配置できるようになっています。複数ファイルを選択するには、commandキー(WindowsではCtrlキー)を押しながらクリックします。
[配置]ダイアログボックスで選択したファイルは、アートワーク上でサムネールが表示されます。表示されているサムネールが、配置対象となるファイルです。
キーボードの矢印キーを押すと、配置する画像を順番に切り替えられます。また、誤ってファイルを選択してしまった場合、escキーを押すと、サムネール表示されているファイルの配置はキャンセルされます。
ドラッグして配置するサイズを決められます。その際、画像の縦横比は元ファイルの情報が保持されます。
このような複数画像の配置機能は、すでにInDesignでは実装されていたので、InDesignユーザーは違和感なく活用できるでしょう。
キーボードショートカット
Illustrator CC(17.1)からは、[ファイル]メニューの[配置]に、キーボードショートカットが割り当てられました。Macはcommand+shift+P、WindowsはCtrl+Shift+Pです。
BridgeやFinderからのドラッグ&ドロップ
なお、CS6以前のIllustratorでは、BridgeやFinder(Windowsはエクスプローラー)からファイルをアートワーク上にドラッグ&ドロップすることで、複数のファイルを一度に配置できます。その際、配置された画像は、リンクによる配置となります。また、ファイルのサイズは100%での配置となります。
リンクパネルの改良
Illustrator CCではリンクパネルが改良されています。パネルの下部を展開すると、リンクパネルで選択中のリンクファイルの詳細情報が表示されるようになりました。
現在の拡大・縮小率や解像度(PPI)、ファイルの保存場所、カラースペースなどが表示されるので、リンクファイルの確認を行う際に便利です。