ルネサス エレクトロニクスは9月25日、高機能扇風機、電動工具、フードプロセッサなどの小物家電機器を対象に外部部品の取り込んだ品種や、小容量フラッシュメモリを内蔵した品種をラインアップすることで、ブラシレスDCモータ制御のシステムコストを従来比で4割削減できるマイコン「RL78/G1Gグループ」を発表した。

近年、高機能扇風機、電動工具、フードプロセッサなどのブラシレスDCモータ搭載の小物家電においては、多機能の高級機から低価格の普及機まで対応するためにプラットフォーム開発が主流になってきている。同製品群は、すでに中国でモータ制御市場を席巻している製品をグローバル仕様にブラッシュアップしたもので、広く全世界の小物家電への採用を期待しているという。具体的には、普及機を意識しモータ制御に必須な仕様だけに絞り込んだ他、従来外付けだったアンプやコンパレータを内蔵しトータルシステムコストを大幅に削減できる。内蔵するアンプはプログラマブルゲインアンプ(PGA)で、ソフトウェアで微小な信号の増幅率を4~32倍で変更が可能。また、コンパレータは反応時間が従来の1/8倍となる0.15us(MAX.)という高速品を2チャネル搭載している。このコンパレータはPGAの出力信号を選択可能で、インバータ回路の過電流保護に使用可能となっている。さらに、欧州家電安全規格のIEC60730に対応したハード機能を搭載している。この他、豊富なパッケージ、フラッシュメモリのラインアップでさまざまな小物家電に対応する。

なお、すでにサンプル出荷を開始しており、価格は44ピンQFPパッケージ、16KBフラッシュメモリ、1.5KB RAMを内蔵した「R5F11EFAAFP」が150円。量産は12月より順次開始し、開発ツールは準備済みとしている。

ルネサスの小物家電向けモータ制御用マイコン「RL78/G1Gグループ」