Analog Devices(ADI)は9月24日、正確で高精度、かつ優れた電力効率が求められる高速データアクイジションシステム向けに低消費電力のレールtoレールアンプ「ADA4805」ファミリを発表した。
同ファミリは、シングルアンプの「ADA4805-1」とデュアルアンプの「ADA4805-2」で構成されており、495μAという低静止電源電流を実現する。これにより、高分解能A/Dコンバータ(ADC)のデータシートに記載された通りの仕様を完全に実現できるようになる。さらに、ダイナミックパワースケーリング(DPS)機能により、ADCのサンプル信号間でアンプをシャットダウンすることで、性能を低下させることなく、類似するソリューションと比べ消費電力を最大で90%削減できる。
また、100MHz動作で160V/μsの高スルーレート、100kHzで5.9nV/√Hzの低ノイズ、および100kHzのHD2で-102dBc、同HD3で-116dBcの低歪み性能を実現しつつ、消費電力をわずか1.5mWに抑えている。これにより、携帯型試験測定器、バッテリ駆動の産業用機器、さらに遠隔環境監視デバイスといった、低消費電力が求められるバッテリ駆動の携帯型データアクイジションデバイス向けに最適となっている。さらに、携帯電話の基地局や医療用画像機器のような高密度アプリケーションにおいても、消費電力や熱放散を低減できる。
そして、1.5µV/℃ max(0.2μV/℃ typ)と、競合他社の100MHzの高速アンプと比べて1/8の低ドリフト性能を提供。優れたAC/DC性能の組み合わせにより、感度、ダイナミックレンジ、およびシステム全体の精度を高めることができる。この他、電圧範囲が広く、3V以上の電源をサポートしているのに加え、より広範囲のダイナミックレンジを必要とするアプリケーションでは、電源電圧±5Vでも動作することが可能となっている。
なお、価格はSC70パッケージの「ADA4805-1」が1000個受注時で1.05ドル、SOT23パッケージの「ADA4805-1」が同0.95ドル、MSOPパッケージの「ADA4805-2」が同1.64ドル、LFCSPパッケージの「ADA4805-2」が同1.79ドル。LFCSPパッケージの「ADA4805-2」以外はすでに供給が開始されている。LFCSPパッケージの「ADA4805-2」は10月より供給開始の予定。