1990年代頃から学生服に増えてきたブレザー服。ジャケットにタータンやチェック柄のパンツ/スカートなどを合わせたもので、新設や既存校の共学化など、モデルチェンジのタイミングで導入されることが多いスタイルです。イギリス発祥だけに海外でも一般的ですが、制服としては外国人の方にはどう見えているでしょうか。
そこで、日本在住の外国人20名に「日本の学生の制服"ブレザー"のデザインをどう思いますか?」と質問してみました。
■自分でも買った。とてもいい。(ロシア/20代前半/女性)
■ネクタイがかわいいとおもいます。(トルコ/30代前半/女性)
■かっこいいです。(フィリピン/40代前半/女性)
■かっこいいと思います。(中国/20代後半/女性)
■きれいだと思う。(チュニジア/40代後半/男性)
■かっこいいです。(スペイン/30代後半/男性)
■かっこいいと思います(マレーシア/30代前半/男性)
■かっこいいと思います。(ペルー/30代前半/男性)
■大人っぽい。(台湾/40代前半/男性)
意外にも、良しあしの評価が半数に割れた今回。キリッとした印象が強いためか、肯定的な回答でも「かっこいい」という評価が大半になりました。購入経験があるというロシアの方は、20歳前半なので実際に着て通われた際の印象からなのでしょうね。
日本でブレザー型制服が導入された背景には、セーラー服のアンケートと学ランのアンケートでも言及した、制服の改造が後を絶たなかった80年代の社会背景も関係があると言えます。ブレザーとチェックのパンツ/スカートは改造すると逆にバランスが悪くなったため、実際に改造は激減したそうです。また、どうせ着るならかわいい制服がいいということで志願者が集中、偏差値が上がるとの効果も生まれたため、90年代にはブレザーを導入する私立学校が急速に増えました。タータンや無地などスカート柄にバリエーションがあるデザイナー制服の導入も、同じ時期に増えてきたものです。
一般的には紺ジャケットにスカート、細いリボンというシンプルなデザインが多く、ドラマ「あまちゃん」やアニメ「けいおん!」などではそちらが採用されています。また「あまちゃん」では、天野アキが着用する制服に、私立と公立のデザイン趣向における違いを、架空ではあるものの伺うことができます。
■かっこいいと思いますが、国では高すぎて買えない生徒もたくさん出るはずです。(ブラジル/20代後半/男性)
制服の価格が高くて購入できない、というのはデザイナー制服であれば起こることかもしれません。公立高校のデザインが比較的シンプルなのは、価格面も鑑みた結果でもあるわけです。
■スカートが短すぎる。(イギリス/20代前半/女性)
■少し古いですね。(韓国/40代後半/男性)
■ださいと思います。(アメリカ/20代後半/男性)
■普通だと思うけど好きではない。(アルゼンチン/30代前半/男性)
■ダサい。(イスラエル/30代後半/女性)
■ダサいので必要ではない。(オーストラリア/40代前半/男性)
ブレザースタイルになじみがある国の方々から否定意見が出る、という意外な結果に。私服通学が多い海外では、個性が見えない制服自体がダサイということなのかもしれません。でも、私服高校に通っていた筆者には、1日に5人は上から下までまったく同じ格好の人を見かけていた記憶があるんですよね。制服と私服のどちらが楽なのか、どちらがかっこいいのかという問題は、意外と深いものなのかもしれません。
見落としがちですが、靴下などにも流行や時代が見える制服。ブランド制服では靴下も指定の物が用意されている場合が多いですが、シンプルなデザインの制服ではルーズソックス、ハイソックスとルーズソックスの重ね履き、紺のハイソックス、三つ折りソックス、黒タイツなど、時代によって合わせる形もさまざま。ブレザーそのものはもちろん、靴下やカバンなど、制限がありながらも少しずつ違いをみることができます。そういった視点から見ると、実は制服って深くて面白い存在なんですよね。