ヨコオは9月22日、DSRC/ITSスポット基地局用「電界強度測定器」を発表した。10月頃より受注生産を開始する予定。

DSRC/ITSスポットは、これまでの高速道路ETC用途に加え、一般道や民間での活用が検討されており、今後の市場拡大が見込まれているが、DSRC/ITSインフラの設置時には電界強度の評価が必要であり、この測定は設置事業者にとって大きな作業負担となっていた。同製品は、ARIB STD-T75規格に準拠した、ETC基地局やITSスポット基地局の設置・運用時の評価に適した計測器で、フィールドでの電界強度の測定や検査にあたり、専用のフィールドテスタを用いることで、計測誤差を抑えた高精度な測定を短時間で行うことができる。また、システムの設置時だけでなく、保守・メンテナンス、あるいは運用時の動作確認用としても、有用なデータを取得することができる。

具体的には、本体と、自車の移動量検出機能付きの台車、電界強度計測用「DSRCフィールドテスタ(DFT)」で構成されており、別途ユーザーが用意するDC12VバッテリおよびPCと接続し、専用のソフトウェアをインストールすることで、計測や補正計算が行われ、計測結果が表示される仕組みとなっている。また、オプションとして、運用中の電界強度を計測する際にFCMC信号を検出するための「FCMC判定機」や、車両搭載時に車速パルス信号を記録する「カーパルスレコーダ(CPレコーダ)」が用意されており、接続することもできる。

なお、計測できるのは、CW波、ASK変調波、QPSK変調波による電界強度や受信電力をはじめ、あらかじめ設定されたDSRCチャネルの電界強度や受信電力などである。また、DFTは最大8台まで接続し、1回の計測で最大8箇所を計測可能な他、アンテナ利得や電力の補正値を記憶しており、補正計算を行うことができる。さらに、較正用の端子を有しており、現場での較正により計測精度を高めることが可能である。

DSRC/ITSスポット基地局用「電界強度測定器」