国立がん研究センター(国がん)は、センター内の各部門が行う基礎研究、臨床研究、疫学研究、社会学研究、看護研究等すべての研究を一元的に管理・支援する新設部門「研究支援センター(Center for Research Administration and Support:CRAS)」を設置したと発表した。
国がんはこれまで、研究所をはじめ中央病院、東病院、早期・探索臨床研究センター、がん予防・検診研究センター、がん対策情報センターのすべての部門で研究活動を行っていた。CRASの設立は、それら各部門に分散していた直接的・間接的な研究支援機能を統合し、研究基盤の強化を図ることで研究開発成果の最大化を実現することを目指したもの。研究管理部、研究企画部、研究推進部、生物統計部、薬事管理室、被験者保護室、生命倫理室などで構成されているほか、新たな機能としてリサーチアドミニストレーターを置き、戦略的大型研究費の獲得、センター内のプロジェクト型研究体制の構築などを支援する計画だという。
国がんの中でも各部門を包括的に管理・支援する組織として位置づけられ、約160名の職員が所属することになるという。
なお、国がんは、独立行政法人通則法の改正により2015年4月より「国立研究開発法人」として位置づけられるが、研究支援センターの設置により、予防、診断、治療等にかかる研究や臨床試験をはじめ、近年増加している民間等外部機関との共同研究などを推進し、「がんにならない、がんに負けない、がんと生きる社会」を目指すとしている。