三菱電機は9月18日、汎用シーケンサ(プログラマブルコントローラ)の新製品として、製造業におけるTCO(Total Cost of Ownership)削減とセキュリティ強化を実現した「MELSEC iQ-Rシリーズ モーションコントローラ/シンプルモーション」を発表した。また、1ツール、1プログラミングで多彩なモーション制御を実現する「シンプルモーションユニット」も合わせて発表した。
製造業のグローバル競争が激化するFA市場において、装置・設備のさらなる高性能・高機能化やTCOの削減が求められている。今回発表されたモーションコントローラは、新規に追加された大容量CPUバッファメモリにより、シーケンサとモーションの両方に直接データを反映させ、シーケンサモーションデータ交換のタイムラグを減少することができる。また、従来はシーケンスプログラム、モーションプログラムの両方の作成が必要だったが、新方式はシーケンスプログラムのみで位置決め制御が可能となっている。さらに、「MELSEC iQ-R」、サーボアンプ/モータ、サーボネットワークとの組み合わせにより、従来比でシーケンサとのデータ周期が約4倍、演算周期が約1.6倍となった他、従来比でデバイスメモリ容量を4倍、カム登録個数を4倍に拡張し、高度な多軸同期制御を実現している。
そして、オフラインデジタルオシロ機能の追加により、モーションCPU単体でデジタルオシロのサンプリングが可能。サンプリングデータはモーションCPU内に保存され、特定条件下でのみ発生する動作の原因解析もできる。加えて、モーションCPUプログラムデータをバッテリレスで保持し、バッテリ交換のコストを削減できる。また、モーション専用ユニットを廃止し、「MELSEC iQ-R」のユニットを使用することで、保守用コストを削減できる。
なお、価格は、最大32軸のモーションコントローラ「R32MTCPU」が50万円(税抜き)、最大16軸のシンプルモーション「RD77MS16」が26万円(税抜き)。