Texas Instruments(TI)は9月18日、低消費電力の設計に電源管理機能を提供する一環として、低消費電力のリニア電池充電IC「bq25100」と、小型で360nAの静止時電流を提供する、完全集積型DC/DC電源モジュール「TPS82740A/82740B」2品種を発表した。
リニア電池充電IC「bq25100」は、0.9mm×1.6mmサイズのWCSPパッケージで供給され、既存の充電ソリューションと比較してサイズを半減している。最大30Vの入力電圧をサポートし、最小で10mA、最大で250mAの高速充電電流の高精度制御と、最小1mAの高精度の充電終了機能を備えることにより、小型のリチウムイオンコイン電池をサポートする。また、75nA未満の漏れ電流をサポートできることから、スタンバイ動作時間を延長する。
この他、「bq25100」と同一基板上に、2.5WのQi準拠ワイヤレス充電レシーバIC「bq51003」を搭載することで、ウェアラブルアプリケーションなどにワイヤレス充電機能を追加できる。これらのデバイスを使った新しいTI Designリファレンスボードの基板面積は75mm2である。さらに、TIはHumavoxのRF(高周波)ベースのETERNAワイヤレス充電プラットフォームを使用した、同社のウェアラブル機器やポータブルヘルスケア機器向けワイヤレス充電ソリューションへの「bq25100」の統合をサポートしている。
完全集積型DC/DC電源モジュール「TPS82740A/82740B」は、200mAの出力電流、95%の電力変換効率、360nAの静止時電流、70nAの待機時電流を提供する。また、スイッチングレギュレータ、インダクタ、入出力バイパスコンデンサを2.3mm×2.9mm×1.1mmサイズの9ピンMicroSiPパッケージに集積しており、ディスクリートソリューションと比較して実装面積を75%低減できる。さらに、「TPS82740A」は1.8V~2.5V、「TPS82740B」は2.6V~3.3Vの出力電圧範囲を100mV刻みでサポートしており、TIのマイコン「MSP430FR59xx」や、SimpleLinkワイヤレスマイコン「CC2540T」などのBluetooth low energyソリューションの電源要件に対応している。
なお、価格は「bq25100」が1000個受注時で0.75ドル、「TPS82740A/82740B」が同1.55ドル。すでに、量産出荷を開始している。