東芝は9月18日、PC事業について、安定的な黒字確保を可能にするため、現在も継続的に黒字を計上しているBtoB分野への構造転換を一層加速し、市場環境などの影響による変動性の高いBtoC分野については、一部地域での撤退を含めた大幅な縮小を行うと発表した。
BtoC分野については、採算性の改善が見込まれない国・地域については事業の終息を行い、販売拠点の統廃合を行うことにより、販売拠点は現在の32拠点から、今年度中に13拠点となる見込み。その結果、BtoC分野については、BtoB分野強化との連動性の高い先進国市場を中心とした地域において展開。また、徹底的な軽量経営を目指し、プラットフォーム数の絞り込みによる開発や調達・流通コストの削減をさらに進めるほか、グローバルオペレーションプロセスの見直しや国内本社機能のスリム化、一部本社機能の海外移管などを進める。
これらの施策展開に伴い、製造部門を除き国内外でPC事業に関わる従業員総数の約20%強に相当する約900名について今年度中に削減し、固定費については、2013年度比で200億円以上の削減を図る。
BtoB分野については、法人需要に即したワークステーションからタブレットまで幅広い商品ラインアップの拡充とともに、グローバル市場での法人販売チャネルの拡大、幅広いBtoB顧客を持つ東芝グループの事業基盤と連携した企業向けクライアントソリューションの強化などによって、新規事業・顧客の開拓を進める。
また、今後一層の拡大が見込まれるIoT(Internet of Things)の分野においても、PCの開発で長年培ったBIOS、セキュリティ、無線実装、高密度実装などの差異化技術を活用し、社会インフラやクラウド、ヘルスケア、家電などの領域に適用した製品・サービスの提供を積極的に進めるという。このように東芝グループ内で保有するさまざまな事業領域の技術と連携したIoT製品・サービスを展開することで、PCとしてのハードウェアのみに依らない事業モデルの構築を加速。これらの施策により、2016年度中にBtoB分野の売上構成比50%以上の実現を目指すという。