Texas Instruments(TI)は9月17日、サイズと消費電力を低減しながら、主要パラメータの高精度計測を実現する4つの新しいセンサデバイスを発表した。

このうち、非接触型の赤外線(IR)温度センサ「TMP007」は、同社の小型サーモパイル(熱電対)センサファミリに新たに加わったものである。対象物の温度直読のための数値演算エンジンを内蔵している他、1回の計測あたり675μJと非常に低い消費電力を実現している。なお、パッケージは1.9mm×1.9mm×0.625mmサイズの8ピンWCSPで、主な用途として、保護リレーやプロセス制御機器などの実装面積に制約のある産業機器、ファクトリ/ビルオートメーション、レーザプリンタ、ネットワークサーバといった企業向けアプリケーションなどの温度監視が挙げられるという。価格は1000個受注時で1.90ドル。すでに量産出荷を開始している。

集積型の湿度/温度センサ「HDC1000」は、ビルの制御機器の設計において、実装面積の低減、精度の向上、消費電力の低減が図れる。また、家電製品や民生用製品の設計においては、湿度計測機能の簡単な追加を可能にする。具体的には、相対湿度と温度を11ビットの分解能で1秒あたり1回計測した場合、「HDC1000」の消費電流は平均1.2μAと非常に低く、リモートアプリケーションへの積極的な採用も可能になる。さらに、センサ素子はデバイスの底部に配置されているため、計測の妨げになる埃や汚れの影響を受けにくい構造になっている。なお、パッケージには2.0mm×1.6mmサイズの8ピンWLCSPを採用しており、高い計測精度と低消費電力の他、基板設計の簡素化とシステムサイズの最小化を実現している。価格は1000個受注時で2.50ドル。すでに量産出荷を開始している。

高精度の周辺光センサ「OPT3001」は、人間の目の明順応のほぼ正確な再現を実現する高精度を有する。優れたスペクトラム特性によって、99%を超えるIR除去率を達成しており、どのような光源に対しても均一な光量計測を実現する。また、23ビットを超える実効ダイナミックレンジでの光量計測により、企業向け製品、照明制御、ビル/ファクトリオートメーションなどで要求される高い分解能を提供する。なお、パッケージは2.0mm×2.0mm×0.65mmサイズの6ピンUSONで、2μA(代表値)の動作電流時に最小1.6Vまでの電源電圧をサポートすることから、幅広いバッテリ駆動機器に使用できる。この他、TIのセンサハブブースタパックと互換性を有する。価格は1000個受注時で0.99ドル。すでに、サンプル出荷を開始しており、量産は10月の開始を予定している。

4チャネル内蔵のキャパシタンス/デジタルコンバータ「FDC1004」は、±15pFの範囲で低消費電力動作と16ビット特性を提供するユニークな特徴と機能を備えている。また、容量性センサにより、システムのインテリジェンスと認識度の向上を実現する。さらに、最大100pFのオフセット容量をサポートし、過酷な環境や、電子回路を配置できない環境でのリモートセンシングを可能にする。そして、電磁干渉を最小化する強力なシールドドライバ回路を内蔵しており、検出方向の正確な焦点調整と、温度変化によるシステム性能への影響回避を可能にする。この他、近接ウェークアップセンシング、材料解析や液面レベル計測など、多くのアプリケーションに使用できるのに加え、TIの超低消費電力マイコン「MSP430」などの各種マイコン品と互換性を有する。なお、パッケージは10ピンWSON。価格は1000個受注時で2.50ドル。すでに量産出荷を開始している。

TIの産業機器向けセンサIC 4製品のパッケージイメージ