STMicroelectronicsは9月12日、セットトップボックス(STB)向け低消費電力SoC「Cannes/Monaco」ファミリとして、4K UHD 60pに対応した「STiH314/318/414/418」4品種を発表した。
同製品は、コスト重視のユーザから性能重視のユーザまで、幅広く対応することができる。既存製品用に開発済みのソフトウェアを利用できるため、製品開発期間を短縮したり、実装済みミドルウェアの再利用が可能になる。また、消費電力が低いため、既存のHD STBのハードウェア設計も再利用できる。
具体的には、高い電力効率と、「Cannes/Monaco」ファミリの既存製品とのソフトウェア後方互換性、およびピン配置互換性を有し、真のUltra HD体験を実現するHEVC-10bitデコーダ、優れた品質を可能にするHDMI 2.0(6Gbps)、HDCP 2.2、および4Kコンテンツ保護に必要なウォーターマークへの準拠など、UHD 60p-10bソリューションのシームレスな導入に役立つ。
また、クアッドコアSMP ARMアプリケーションプロセッサを搭載しており、「STiH314/414」が8000DMIPS、「STiH318/418」が12000DMIPSを実現する他、優れた3Dグラフィックス性能を可能にするクアッドコアグラフィックス処理ユニットも搭載している。さらに、「STiH414/418」は、独自のFaroudja Transcode Engineを採用しており、コンスーマ機器や携帯型機器を用いたマルチスクリーンでのストリーミングに適したクラス最高のトランスコーディング機能を提供する。これにより、通信事業者はネットワーク帯域幅を最適化しながら、住宅内に優れた品質のサービスを提供できる。そして、「STiH318/418」は、Googleの最新ビデオ圧縮技術であるVP9のビルトインサポートを提供している。
その他、同時限定受信、DRM(Digital Rights Management)、および有料放送コンテンツを保護するためのウォーターマークのサポートなど、高度なセキュリティ機能を備えている。また、USB 3.0、PCI-e、SATA、およびギガビット・イーサネットを含む様々な接続オプションや、フロントエンドソリューションとの接続向けの専用インタフェースが用意されている。
なお、同製品は28nmプロセス技術が採用され、2014年第4四半期にソフトウェア・サポートを含め、主要顧客に提供される予定。