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MozillaのCTOであるAndreas Gal氏は10月14日(米国時間)、「OpenH264 Now in Firefox」において、Ciscoとの協力によってFirefoxのWebRTCにおいてH.264のサポートを実現したと伝えた。今回のケースにおいて、H.264をどのようにしてサポートするに至ったかが特に興味深い点と説明している。
H.264は、特許の関係でその実装系をFirefoxに直接は組み込めないという問題がある。もしH.264の実装をFirefoxに組み込んだ場合、MPEG LAへの支払い義務が発生することになる。Webとはオープンなエコシステムであり、特許などによって技術が支配されることがあってはならないというMozillaの姿勢からすると、H.264の実装系をFirefoxへ組み込むといった選択は採用できないことになる。
そこでMozillaはCisco Systemsと連携し、H.264のコーデックプラグイン実装であるOpenH264をCiscoから直接ダウンロードする仕組みを構築。CiscoはOpenH264のソースコードをGithubで公開しており、ビルドされたバイナリの検証プロセスも構築したとしており、透明性と信頼性を確保したうえで、H.264を利用するという利便性にも対応したと説明している。
Mozillaでは最終的にはH.264に替わるオープンなコーデックを目指すとしているが、このタイミングでOpenH264という選択肢ができたことはオープンなWebにとって価値のあることと説明している。記事では、Googleが開発を進めているコーデックであるVP8にも言及しているが、H.264の置き換えとなるにはまだ至っていないと指摘している。