家でもオフィスでもおなじみのコーヒーは、私たちに非常に身近な飲み物。街に出れば、缶コーヒーからチェーン店、純喫茶とコーヒーが飲める場所が至る所にあるほどです。どんなコーヒーでもお店で呑むのがベストだとは言え、落ち着ける自宅でお店と同じ(かできるだけ近い)味が楽しめたら…。こんなにすてきなことはありませんよね。それにはまず豆が大事。
ということで今回は、長い歴史や職人の独特のこだわりが見えるコーヒー店を5店、老舗・新店を問わずセレクトしてみました。
カフェ・バッハ(東京)
アラン・デュカスも認めたバッハブレンドの「カフェ・バッハ」 |
1968年に東京・台東区で創業。店主・田口護さんは、産地に自ら赴き育成法を指導した畑から豆を買い付け、手作業で豆を選び、オリジナルの焙煎機「マイスター」シリーズで焙煎するという方法を早いうちから行い、コーヒーの神様とも呼ばれています。酸味・甘み・苦みのバランスが取れた「バッハブレンド」を始め、ケニアやマンデリン、パナマなど、豆に合わせた炒りでベストな味の状態を決めているそう。
ギフトにも、こうした豆を中心に季節に合わせた多彩なラインナップが用意されています。おすすめはバッハの真骨頂である豆の詰め合わせ「リチェルカーレ」、また「お菓子とコーヒーは“恋人”」と語る同店のよさが感じられる豆と焼き菓子の詰め合わせ「トリオ」など。「ベージュ東京」用にブレンドを依頼したシェフ、アラン・デュカスや沖縄・九州サミットで苦手だったコーヒーを初めて口にしたビル・クリントン元アメリカ大統領など、国内外を問わず高い評価を受けるこだわりの味です。一度は試してみたいものですね。
カフェロッソ ビーンズストア(島根)
全日本大会優勝のバリスタがつくる「カフェロッソ ビーンズストア」のギフト |
島根県に居を構える、全日本バリスタチャンピオン競技界優勝のバリスタ&焙煎師・門脇洋之さんの自家焙煎豆ショップです。メインは、エスプレッソマシンでコーヒーのうまみやアロマを凝縮してしぼり出すエスプレッソ用の豆。イタリア流のストレートで呑んだ時にベストな味を追求しているとのことですが、家庭用マシーンでもおいしく呑めるブレンド比率になっておりプロの味を気軽に楽しむことができます。
ギフトの場合は、通常のコーヒー豆やイベントや季節に沿ったブレンドのほか、のし対応もできるギフトセットがおすすめです。エスプレッソを始めとする豆のラインナップの幅広さには驚くことしきり。選ぶ方も楽しめる(そして購入したくなってしまう!)に違いありません。
堀口珈琲(東京)
コーヒーを日夜研究・追求する「堀口珈琲」のギフト |
堀口珈琲は、都内に焙煎工場併設の店舗を含む3店舗とセミナーハウスを持つコーヒー店。100種類以上の生豆を扱うほか、堀口珈琲研究所ではコーヒーの栽培・精製と香味の関係を研究、起業したい人やプロ向けのセミナーを開催しています(ここから独立・開業していく人も多いのだとか)。世界のコーヒー産地に長期的に取引できるパートナーと組み豆の品質保持に取り組むほか、「深煎り」にこだわった焙煎、ストレートはもちろん新たな味を見つけるためのブレンドなどさまざまな工夫を行っています。
ギフトは定番から季節のブレンドを加えた時期ものなどさまざま。各ページに丁寧な豆の特性解説があるため好みの味を見つけやすく、ブレンドの場合は焙煎度合いが数字で表され、味の想像がつけやすいのも嬉しいところです。豆とコーヒーを追求し続ける同店の味は、コーヒー通にもきっと気に入ってもらえることでしょう。
カフェ バーンホーフ(大阪)
「カフェ バーンホーフ」のギフトはモダンなデザインで若い人に合いそう。 |
前述のカフェバッハの系譜を継ぎ、2003年大阪にオープンしたコーヒー店。規模の大小を問わず大阪もなかなかに喫茶の激戦地区ですが、そんな状況もどこ吹く風と、スペシャルティコーヒーの高い品質と落ち着いた雰囲気で心をなごませてくれます。
同店のギフトは、送る側のオリジナルセレクトかバーンホーフセレクトの2通りから選ぶことができます。焼き菓子やコーヒー豆の品質は言わずもがな、どの種類を選んでも間違いない内容になることでしょう。今回の5店舗の中では最も新しいお店のためか、デザインは全体的にモダンな印象です。黒が基調なので、コーヒー好きの若めのご夫婦やこだわりのあるコーヒー好きの男性、上司への贈り物などにするとしっくりきそうですね(もちろん女性にもいいですよ!)。
銀座カフェーパウリスタ(東京)
「森のコーヒー」はカフェー文化を担った老舗「銀座カフェーパウリスタ」のイチオシ。 |
銀座の目抜き通りに位置する「銀座カフェーパウリスタ」。1919(明43)年創業のカフェーのはしりのお店です。大正時代には芥川龍之介などの文豪が毎日のように訪れ、さまざまな文化活動をおこなっていたそう。…と聞くとピンと来る人もいるかも。実は「花子とアン」に出てきたCafeドミンゴのモデルなんですよ。
そんなお店の代表的なコーヒーは「森のコーヒー」。ブラジルの農園にて無農薬で栽培される天然完熟コーヒーであり、甘い風味のある優しい味が特徴です。ギフトには、大正初期の缶デザインを復刻した赤黒缶(パウリスタ・オールド)や金黒缶(森のコーヒー)にブランデーケーキを詰め合わせた「ケーキとコーヒーセット」や、イベントや季節にあわせた「特製コーヒー缶セット」がおすすめです。ちなみに現在は100周年の「パリ祭」缶です。 西欧文化の風を銀座で運びつづけた拠点と聞けば、どれだけの歴史があるか感じられるというもの。年輩の方とのお話も弾む一品です。
いかがでしたでしょうか。前回はパッケージを中心としたセレクトでしたが、今回はこだわりと歴史のあるコーヒーショップに着目して選んでみました。豆のままか挽きかにさえ気をつければ、ほぼ間違いのないギフトと言えるのでは。事前リサーチができない場合は、多少鮮度は落ちますが挽きが無難かもしれませんね。まずは贈る人の喜ぶ顔を想像しながら、ぜひぴったりの一品を選んでみてください。直接持参する場合は、ご紹介したような蘊蓄も添えれば会話も弾むことでしょう。
また、今回紹介している商品は取り扱い時期や内容が変更される場合があるため、事前に店頭やWebショップで必ずご確認をお願いします。