史上最大級の肉食恐竜として知られるスピノサウルスが、主に水中で生活していたとする米・シカゴ大学の研究グループの研究論文が9月11日(現地時間)の米科学誌「サイエンス」のオンライン版に掲載された。

スピノサウルスは背中の帆のような突起物が特徴的な約9500万年前に生息していた大型の肉食恐竜で、今まで良い標本が発見されておらず、詳しい生態はわかっていなかった。

今回同研究グループは、2009年にモロッコで新しく発掘された化石標本をCTスキャンしたデジタル画像を作成するなどして詳しく調べたという。

その結果、スピノサウルスは頭蓋骨の中心付近に小さな鼻孔があり、鼻の先端部には神経と血管が通る穴が空いているなど、まるでワニのような特長をもっており、魚を捕食するのに適した歯の形や配置をしていたことがわかったという。

また、首や胴が長く伸びているため、上半身が重すぎて陸上での二足歩行は不可能だったのではないかと推測される。また、後ろ足が平らになっており、水の中を泳ぐのに適した「水かき」の機能を備えていた可能性があるとのこと。

スピノサウルスのイメージ図 (C)Davide Bonadonna