大学などの新しい技術を展示して、産学連携や実用化の機会にしようとするイノベーション・ジャパン2014が9月11日、12日、東京ビックサイト(東京都江東区)で行われた。2日間で約2万人が参加する。11回目で、国内最大の大学見本市でもある。今年のテーマは「知の融合~広がる未来」。科学技術振興機構(JST)と新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の共催で、全国の大学やベンチャー企業などが500件を超える新しい研究成果をそれぞれ展示して、議論の輪が広がっていた。
開会式では、JSTの中村道治(なかむら みちはる)理事長が「わが国は安倍内閣のもと、成長戦略を追求しており、科学技術イノベーションがその柱となる。この催しは(技術革新へ橋渡しする)オープンイノベーションを盛り上げる重要な場となる。大学と企業のマッチング活動も強化し、新技術が新製品へと展開されるよう、力を入れたい」とあいさつした。同時に、日中大学フェアもあり、中国の30の大学や研究機関が独自の研究開発の成果を展示していた。
会場では、大学の新技術で作られた計測機器などが展示され、企業との技術移転の話などが進んでいた。また、出展した各大学の研究者らが技術のシーズを紹介するミニレクチャーも開かれ、あちこちで熱心な議論が交わされた。2日目には、産学官連携功労者表彰があり、「つなげるイノベーション大賞」の内閣総理大臣賞には、東京の中小企業が芝浦工業大学、東京海洋大学と連携して開発し、昨年11月に水深8000メートルで世界初の3Dハイビジョンビデオによる深海魚の撮影に成功した「江戸っ子1号」に贈られる。
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