アジャイル開発を行いたい企業を支援する米CollabNetの「TeamForge ALM プラットフォーム」(以下、TeamForge ALM)が日本で発売を開始する。販売代理店を務める日立ソリューションズとコラブネット・ジャパンが9月12日、合同で説明会を開催し、グローバルで実績のあるTeamForge ALMを2014年10月から国内でも提供開始すると発表した。

今日、ソフトウェア開発の現場では必須開発ツールをプロジェクトや拠点ごとに別々のものを選択する傾向があり、「プロジェクト間や部門間(DevやOpsなど)での連携、ワークフローが取りにくい」「ソフトウェア資産を共有、再利用しにくい」「開発環境が分散しているためにコストが上昇している」といった課題が起きがちだという。

ソフトウェア開発の現場で見られる課題

そうした課題を解決するのが、TeamForge ALMだ。ソースコード管理からチケット管理、文書共有、ビルドやテストの自動化、リリース管理などの機能を備え、ソフトウェア開発をトータルに管理する。ウォーターフォールやアジャイル、チケット駆動開発、DevOpsなど、さまざまな開発手法で利用でき、約10万人規模のグローバルな開発での実績がある。

TeamForge ALMの概要

規模の一例

コラブネットは約15年間、クラウド上で協調型や分散型で開発する複数の企業に、ソフトウェア開発の計画からコーディング、ビルド、テスト、リリースまで、そのライフサイクルをトータルに管理するソリューションを開発、提供してきた。TeamForge ALMにはそのノウハウが集約され、ソフトウェア開発に必要な機能を搭載している。

ツールや開発プロセスを組み合わせたテンプレート化、社内の知的財産の再利用によるガバナンスの実現、バグなどの不良のトレーサビリティなども可能。導入した企業の中には、開発時間を50%削減できた事例もある。

プロジェクトで利用したツールとの連携例

過去のプロジェクト資産はテンプレート化して検索、利用が可能

現在国内で唯一の販売代理店である日立ソリューションズは、幅広い業種の企業に向けてソフトウェア開発支援サービスを提供している。TeamForge ALMは今後、日立ソリューションズが予定しているアジャイル開発ソリューションやDevOpsツールの導入支援サービスの中核を担う製品となる予定だ。

日立ソリューションズとコラブネットは、複数の拠点でソフトウェア開発に取り組む企業や複数プロジェクトの管理、オープンソースの管理コスト、開発ツール間の連携に悩みを抱えている企業、アジャイル開発を検討している企業などに向けて、コンサルティングからシステム導入、運用・保守、教育まで、ソリューションを提供していく。

本発表に合わせて来日したコラブネットのビル・ポーテリCEOは、「企業をまたがったプロジェクトを行う場合、経験とツールとアプローチが必要となる。TeamForge ALMであればフレキシブルなコラボレーションが可能で、組織全体での開発効率化が図れる」としている。

左からコラブネット・ジャパン シニアディレクターAPACのケビン・ハンセン氏、日立ソリューションズ イノベーションコンサルティング部 部長の孫福和彦氏、コラブネット CEOのビル・ポーテリ氏

なお、TeamForge ALMはクラウドまたはオンプレミスでの利用が可能。クラウドの場合、データを管理するデータセンターは、コラブネット、日立ソリューションズのほか、ユーザー企業所有のものを選ぶことも可能。料金は1ユーザー当たり年間8万8000円(年間サブスクリプション、クラウド利用の場合)。