エフセキュアは9月9日、PC、Macおよびモバイル環境への脅威をまとめた2014年上半期レポートを公開した。
レポートによると、2014年に入ってから「ユーザーから身代金を要求するタイプのオンライン攻撃」が増加しているという。
この攻撃は、ランサムウェアを利用して行なわれており、感染したユーザーは、端末のアクセスが制限されたのち、ファイルのロックを解除しようとすると、攻撃者から身代金を請求される仕組みになっている。
また、モバイル環境においても脅威は増大しており、2014年の第2四半期だけで295個の新しい脅威と亜種を発見したという。そのうち、Androidが294個、iOSが1個で、第1四半に比べて18個増加した。
Androidに対する最も多かった脅威はトロイの木馬で、利用者にSMSメッセージを送信するもの、個人情報を収集してリモートサーバーに転送するものがほとんどであった。6月には正規のアプリを装うSlockerマルウェアが見つかっており、モバイルOS上で見つかった初めてのランサムウェアだとエフセキュアは発表している。
PCに対する脅威で最も多かったのは、「Downadup/Conficker(ダウンアドアップ/コンフィカー)」と呼ばれるワーム。このワームは初めて発見されてからの6年間で、200以上の国で何百万台ものコンピューターへの感染が確認したという。
エフセキュアによると、長期に渡ってワームが利用されているのは、セキュリティ上の欠陥があるソフトを搭載するPCが多いためとしている。そのため、ソフトウェアを最新の状態に保ち、古いセキュリティの欠陥を修正することが重要であると呼びかけている。
また、Macを狙ったマルウェアは新たに25個発見されており、昨年の7~12月での調査より7個増えた。マルウェアの一部は、組織を狙った標的型攻撃に利用されているという。