大日本印刷(DNP)は9月9日、新日本電波吸収体と共同で、UHF帯ICタグ(RFID)を使用する物流現場や生産現場で、近くにある対象外のICタグの誤読を防ぐ「UHF帯RFID対応シールドロールカーテン」を発表した。

UHF帯ICタグは、広域で多数のICタグを一括読み取りできる利便性が評価され、物流用途を中心に本格的な普及が進んでいる。一方、通信距離が数メートルと長いため、認識したくないICタグまで認識してしまうことが多くある。この誤読を防ぐために、シールドメッシュや電波吸収パネルなどで、電波を遮蔽する方法があるが、物流現場や生産現場などで物や人の流れを配慮すると、これらの設置方法・場所が限られてしまう。その結果、電波を遮蔽することができず、UHF帯ICタグの導入が困難になるケースもあった。

こうした課題を解決するため、DNPと新日本電波吸収体は、物の流れや作業などを阻害しないよう、不要な時はシートを巻き取って格納できるロールスクリーンタイプの電波遮蔽器具「UHF帯RFID対応シールドロールカーテン」を開発した。同製品を設置することで、リーダライタの読み取りエリアを制限し、対象とするICタグだけを読み取れるため、誤読を防止する。また、必要がない時は、自動でシートを巻き取って格納できるため、物や人の流れを妨げないとしている。

なお、価格は1セット50万円から。標準仕様は、サイズが2600mm×3000mm、巻き取りスピードが約20cm/秒で、これをもとに現場のニーズに合わせて、シートのサイズや巻き取りスピードをカスタマイズして提供するとしている。同製品をDNPと新日本電波吸収体の両社で、2014年度中に20セットの販売を目指す。また、DNPは、同製品をUHF帯ICタグシステムの一環として展開し、UHF帯ICタグシステム全体で、2016年度までに5億円の売り上げを見込んでいる。

「UHF帯RFID対応シールドロールカーテン」

シールド不要時には上部にカーテンを巻き取れる