Imagination Technologies(IMG)は9月5日、高効率64ビットMIPS Warriorコア搭載のCPU「MIPS I-class I6400」ファミリを発表した。
同ファミリは、マルチスレッド処理、マルチコア、マルチクラスタコヒーレント処理を通じてスケーラブルなパフォーマンスを実現する、64ビットアーキテクチャとハードウェア仮想化を組み合わせたIPコアである。
具体的には、コアあたり最大4本のハードウェアスレッドをサポートするハードウェアマルチスレッド技術を特徴としている。IMG独自のMIPSマルチスレッド処理技術は、高い稼働率とCPU効率を実現する他、MIPSとIMGのマルチスレッド処理の専門性を基に構築された、「I6400」の同時マルチスレッド処理(SMT)技術は、クロックサイクルごとに複数のスレッドから複数命令を実行することが可能。ベンチマーク速報値によれば、2番目のスレッドを追加すると、SPECintやEEMBCのCoreMarkなど、業界で広く普及しているベンチマークによるパフォーマンスが40~50%向上しながら、クラスタ面積の増加は10%以内にとどまる。さらに、ブラウザなどの現実世界のアプリケーションも、マルチスレッド処理により多大な恩恵を得られるという。
そして、「I6400」は、すべてのレンジでハードウェア仮想化技術を取り入れたMIPS Warriorコアに加わり、セキュリティと信頼性の向上、およびシステムとSoC全体にわたり統一的なセキュリティと仮想化戦略を実現できる。「I6400」では、最大15までのセキュアもしくは非セキュアなゲストのサポートが実装されている。
また、ネットワークアプリケーションのプライバシーとセキュリティのニーズに対応するため、複数の独立したセキュリティコンテキストと複数の独立した実行環境をサポートするように最適化されている。同セキュリティ機能は、IMGとそのエコシステムパートナーからの技術を導入し、SoCのその他の重要コンポーネントにも含めることができ、セキュアなコンテンツ配信、決済、個人情報保護など多くの機能を、複数のアプリケーションとコンテンツに対して同時にサポートするよう拡張することが可能となっている。
さらに、PowerGearing for MIPSによる高度なパワーマネジメント機能を実現している。これには、ヘテロジニアスクラスタ内のコアごとに専用のクロックと電圧レベルを提供し、CPU全体の整合性を維持しながらスリープ中のコアを必要なときにだけ起動できる機能が含まれている。
なお、IMGでは、複数のリードパートナーと「I6400」のライセンス商談を進めており、一般ライセンスは12月より開始の予定。