日本電気(NEC)は9月5日、ビッグデータ収集・分析技術を用いて上水道の漏水状況を迅速・精緻に検知する「漏水監視サービス」を提供開始すると発表した。
同サービスは、水道管の消火栓や止水栓などに複数設置するセンサが振動データを収集し、クラウド上のシステムで分析することで、漏水発生とその地点を検知する仕組み。センサは、漏水検知の専業メーカとなるスイス Gutermannの製品を採用しており、小型で軽く、防水性に優れているほか、内蔵する強力磁石で装着するため脱着が容易で、取付のための工事は不要。内蔵バッテリは、最長で5年間の使用が可能となる。
センサの収集したデータは、「ドライブバイ方式」と「パーマネント方式」のどちらかでデータセンタへと送られる。ドライブバイ方式では、無線受信機を搭載した車両でセンサの設置箇所を巡回し、近距離無線を使用してデータを収集する。無線受信機にて収集したデータは、パケット通信にてデータセンタのサーバへ伝送される。
一方、パーマネント方式は、計測・監視を行うマンホール部の付近にある電柱などに無線中継局を設置し、無線通信にて無線中継局から基地局を繋いだのち、パケット通信を利用しデータセンタのサーバへ伝送する仕組み。無線通信機材を設置しないため、計測地点を変更しての調査が簡便に行えるほか、現場へ出向く必要もないため、老朽化の進んだ水道管の監視と漏水位置の特定に適しているという。
また、アプリケーションには、シンプルなメイン監視画面と、技術面の確認が可能なデータ分析画面を用意。メイン監視画面では、汎用的な地図システムや水道局が有する水道マッピングシステムと連携し、センサの設置箇所や漏水の発生場所を地図上に表示するほか、0~100のスコアで色分けされた漏水の確度も閲覧可能となる。調査履歴や漏水対策工事などの情報も登録可能で、漏水に関連する情報を一元的に管理することができる。
同サービスの提供価格は、センサ50本や各種機器、ソフトウェアの利用料、標準保守費用などを含み、月額50万円(税別)から。同社は、今後3年間で、国内外の水事業者を中心に100団体への販売を目指すという。